平成30年11月20日(火)「練馬区の図書館専門員ってなーに?」に参加して【レポート編】

ストライキ―①労働条件に維持・向上その他の目的を実現するために、労働者が集団的に業務を停止すること。ストライキ権は、団結権・団体交渉権と共に労働者の基本的権利に属するが、公務員・国営企業職員・地方公営企業職員は法律によって禁止される。(『広辞苑 第五版』・1998・岩波書店)

このストライキという言葉が、図書館の現場で働く人たちから掲げられたことに衝撃を受けられた方も多いのではないでしょうか。練馬区が直営で運営する公立図書館2館について民間に運営を任せるという動きがあり、そのことに反対する当該図書館等で働く非常勤職員「図書館専門員」の方々が立ち上がり、ニュースに取り上げられたり、SNS上でも大きな話題となったのは記憶に新しいところです。

その動きですが、Twitterでの情報によれば平成31年1月21日の団体交渉で、 石神井、練馬図書館への指定管理者導入の提案は妥結となったとのことです。

(ソース元はこちら→https://twitter.com/nerisen_lib/status/1090903310582788096)

さて、この記事では、このストライキの動きに先立つ昨年の11月20日(火)、標題練馬市役所で開催された標題の交流会のレポートをしたいと思います。その当時は「区立図書館2館の指定管理者制度を導入しての運営に反対するための集会」といったニュアンスだったと記憶しています。私自身、練馬区の図書館は身近な存在ということもあって、時間休を取って参加してきました。

前置きが長くなりましたが、今回はそのことについてレポートをしておきたいと思います。手元に控えたメモ書きをもとにして書いていくことになるので、実際に話されたことと少し食い違いなどがあるかもしれません。もし何かございましたら、ご意見、ご指摘などいただければ幸いです。

この集会は「図書館専門員との交流会」とチラシにあったように、図書館専門員の方達が市民の人に自分たちの仕事について知ってもらうための集会と位置付けられているようでした。会全体としては、第一部が図書館専門員の仕事内容などの紹介、第二部が図書館専門員の置かれている現状についての報告の構成、という二部構成です。ちなみにですが、会の最初に「指定管理者の是非を問うための集まりではない」という断りがあったことを付記しておきます。

まず第一部ではパワーポイントのスライドを使って、図書館専門員の仕事内容の紹介がありました。日々の業務について、具体例を交えたレファレンスについての説明、地域資料を生み出すということ、児童サービスについてなどの説明がクイズ形式も交えつつ紹介されていきます。

そして、その後に質疑応答があり、

(1)本を除籍する際の基準や選択について

(2)選書について

(3)除籍した本とリサイクル資料の行き先について

(4)除籍と本を置くスペースの問題について

(5)マンガの取り扱いについて

以上の5つの質問があり、いずれの質問にも図書館専門員の方々が丁寧に回答されている姿が印象的でした。

そして第二部は、「練馬区立図書館専門員の現状」というテーマでお話です。ここで手元のメモを見返すと、「練馬図書館のカウンターを取り返した」、「根幹的業務が大事、それを維持するのは直営でないと出来ない」とあります。カウンター業務に比重を置かれていること、公共図書館を運営するに当たっては直営の方が望ましいというようなお話がされていたように記憶しています。

図書館専門員の方々が受ける研修についてもお話があり、国立国会図書館、東京都立図書館、図書館総合展、図書館大会や、さらに自己研修として様々な場所に行かれているとのこと。その流れで、「森羅万象について根拠を示せる」ことが図書館の強みだということが話されています。

そして、次に練馬区との団体交渉についての話になります。この集まりの核心と言える部分かもしれません。冒頭に書いたように、練馬区が直営で運営する公立図書館2館について民間に運営を任せるという動きについて、現状がどのようになっているかというお話でした。

その中でも「練馬区立図書館のカウンターに立ちたい」。そのことを切実な口調でおっしゃっていたのが強く印象に残る内容でした。だからこそ「今を失うと行き場がない」と。練馬区からは、練馬区立図書館から区内の学校図書館へ配置換えの提案があったとのことなのですが、それは受け入れられるものではないとのことでした。

以上を結びとして、第二部のお話は終了し、全体の質疑応答へと入ります。

まず「労使協定は1月までなのか?」という質疑が挙がりました。その質疑については会場内にいた練馬区議会議員の方にマイクが向けられ、 「この件に関して要望と陳情は行っている、12月中に議会を開きたい」とのこと。またこの議員の方から「民間の方がサービスに寄与する根拠を示してほしいという資料請求をした」とのお話もありました。

その後に、過去に指定管理者制度のもとで運営されている図書館で勤務経験のある図書館専門員のお話がありました。実体験に基づいた指定管理者制度のもとで公共図書館が運営されることへの弊害というような内容でしょうか。

具体的には、「10年間勤めていたが、2度目の更新時に選定されなかった」、「引継ぎのノウハウが共有されない」、「おはなし会が出来ない」、「イベントを開催しろという会社の方針があった」、「委託で職員を採用する際に司書資格が無くでも採用してしまう」、「更新毎に雇用とノウハウがリセットされてしまう」という内容のエピソードが語られました。

そして全体の最後として、組合の委員長を会場全体で激励するという流れで「練馬区の図書館専門員ってなーに?」は締め括られました。

以上が、「練馬区の図書館専門員ってなーに?」に参加しての内容的なレポートになります。私自身、過去に図書館で働いていた身として様々な想いを抱きましたが、所感の方はまた次回の記事にアップしようと思っています。

【二年前に書いたもの】(仮)地域の図書館職員の役割

またしても久しぶりの更新になります。

今回はまだレポートが終わっていない第20回図書館総合展の続きではなく、少し前に書いた文章を載せてみたいと思います。

実は、2年前に某所の司書の試験を受けていて、そこの課題が約1500字の作文でした。私としては随分と気合を入れて一生懸命書いたつもりだったのですが書類も通過せずという有様でした。で、ですね、一昨日からインフルエンザに罹患してしまいました。体調の方はすっかり良くなったのですが、まだしばらくは他の人に感染させる恐れがあるということでしばらくは出勤が出来ない、ということでいそいそと部屋の整理をしていたら、上の作文を久々に読み返す機会がありまして、せっかくなのでこのブログに載せておきたいと思いました。テーマは「地域における図書館員の在り方」とか、そういうニュアンスのものです。当時の私なりに一生懸命書いたので、またそれなりに頑張ってる感もある文章なので、せっかくなのでこの場で公開しておきます。

【以下から作文】

地域の読書活動推進に必要な図書館員の役割とは、「場としての図書館」と「本や情報を利用・活用するための図書館」、この二つを軸としたサービスを推し進め、また持続させることだと考える。そのことを通じて、本や情報を、地域の人々にとって身近に感じてもらうことが、読書活動推進の大きな役目を果たすのではないか。では、二つの軸について具体例を挙げ詳述していく。

「場としての図書館」とは、人と情報が、情報と情報が、人と人とが繋がる「場」である。読書会や回想法、ビブリオバトルやブックスタートなどのイベントを行うことにより、「繋がる場」としての図書館を機能させていくことが必要である。そのような「場」において、本は非常に有効なツールである。その点についてはLibrary of the Year2011年の大賞を受賞した長野県小布施立町立図書館まちとしょテラソの取り組みは示唆に富んでいる(1)。まちとしょテラソでの一箱古本市の開催や(2)、「小布施まちじゅう図書館構想」(3)など、図書館がその枠を飛び出し本のある空間を拡張する試みがなされている。その活動について猪谷千香は「『交流と創造を楽しむ文化の拠点』として機能し」ていると指摘している(4)

繋がる「場」としての図書館を拡充させていくことにより、人と情報が、情報と情報が、そして人と人とが繋がり、地域の読書活動推進に結びつくのではないか。

次に「本や情報を利用・活用するための図書館」について述べる。端的に言ってしまえば、デジタルアーカイブという視点から、図書館資料を収集・保存・公開することである。その一例が図書館の電子書籍貸出サービスである。札幌市中央図書館の淺野隆夫は「図書館における電子図書館サービスの事例」(5)の中で、

事実上一点ものが多い地域・行政資料を電子化し、検索機能もしっかりつけることで保存と活用が進むこと、地域の住民の情報発信のプラットフォームとしても使えることから電子書籍貸出サービスが、札幌をキーワードとしたさまざまな資料を安定的に保存し、ネットの力を利用して積極的に発信・PRできることがわかった

と述べている。同論の中で昭和25年発行以来60年分の「広報さっぽろ」などを電子化したとあり、「変わるもの変わらないものの対比も実に興味深い」(6)という所感が寄せられていることから、一般的に埋もれがちな地域・行政資料の利用・活用に有効なことが示されている。このように、情報へアクセスする新たなツールとしての電子書籍貸出サービスを導入することが、地域の読書活動推進の一助となるのではないか。

また、地域の情報をWikipedia上に編集するイベント、ウィキペディアタウンも「本や情報を利用・活用するための図書館」としての機能を果たすと考えられることも付記しておく。

以上、図書館サービスを二つの視点から述べてきた。その上で図書館職員の役割についてあらためて考えてみたい。上記のサービスを提供するには人や資金や情報といったリソースが必要不可欠である。図書館職員には、これらのリソースを繋ぎ、活用し、振り分けるコーディネーターとしての役割が求められる。そして様々なリソースのハブとなり、「場としての図書館」と「本や情報を利用・活用するための図書館」という二つの軸で図書館サービスを推し進め、持続させていくこと、そのことが地域の読書活動推進に必要な図書館職員の役割だと考える。

(1)まちとしょテラソの受賞については  http://www.iri-net.org/loy/loy2011.htmlを参照(2017/09/05アクセス)まちとしょテラソでの一箱古本市の様子については『はなぼん』(花井裕一郎・文屋・2013年1月)の156p-157pを参照

(2) http://machitoshoterrasow.com/pg675.html  (2017/09/05アクセス)。また『つながる図書館』(猪谷千香・筑摩書房・2014年1月)56pにも記述がある。

(3)『つながる図書館』(猪谷千香・筑摩書房・2014年1月)59p

(4)『デジタルアーカイブとは何か―理論と実践―』(岡本真/柳与志夫責任編集・勉誠出版・2015年6月)所収

(5)同上、121p

(6)同上、123p

【以上になります】

 

久々に読み返してみましたが、今現在の自分とあまりスタンスがぶれていない事が一つの発見でした。

何かご意見等ありましたら、よろしくお願い致します。

 

先日、三越本店の近くにたまたま行く機会があったので写真を撮ってきました。

第20回図書館総合参加記録【4-1】

 また久しぶりの更新になってしまいました、標題の通り今年も図書館総合展に参加してきました。そのレポートを残しておきたいと思います。
 転職してカレンダー通りの休みとなり、今年は有給休暇を使っての参加です。10月31日(水)の展示会場がクローズする間際に受付だけ済ませ、その足で二日目交流会へ。フォーラムは11月1日(木)の三本に参加という流れでした。
 参加したフォーラムは以下の3本。
①動く図書館のバトンをつなぐ―移動図書館の過去・現在・未来―
②公共図書館でできる知的障害者への合理的配慮
③◆第20回図書館総合展記念フォーラム◆ 図書館―これまでの20年とこれからの20年
 今現在、知的障害を持っている方の生活介護施設で働いていることもあり、②のフォーラムにまず参加したいと考え、それを基にスケジュールを組み立てていった感じです。
 では、各フォーラムについてレポートと所感を書いてみたいと思います。三本まとめて書くとなると長くなってしまうので、この投稿では一つめに参加したフォーラム「動く図書館のバトンをつなぐ―移動図書館の過去・現在・未来―」について書きたいと思います。あくまでも手元のメモを見てのレポートとなるので、実際に話されていることと微妙なニュアンス等が異なるかもしれませんが、その点はご了承いただければと思います。
「動く図書館のバトンをつなぐ―移動図書館の過去・現在・未来―」
○司会・コーディネーター
 石川敬史氏(十文字学園女子大学 准教授)
○パネリスト
 梅澤幸平氏(元・滋賀県立図書館 館長)
 中山真一氏(横浜市中央図書館サービス課 課長)
 下吹越かおる氏(指宿市立指宿図書館 館長)
 林田理花氏(株式会社林田製作所 取締役)
〇フォーラムの趣旨は以下の通り
「『走れ!移動図書館』
 東日本大震災の復興支援にて,当時・シャンティ国際ボランティア会の鎌倉幸子氏が2014年に筑摩書房(ちくまプリマ―新書)から刊行した図書のタイトルである。図書館を届けたこうした活動は,まさに移動図書館活動の再評価に結びつく。1997年以降,移動図書館車の台数は急激に減少し続けていたが,近年はゆるやかな減少に留まっている。
「これが公共図書館だ!」
 1967年10月の『図書館雑誌』特集のタイトルである。1965年9月,日野市立図書館が1台の移動図書館「ひまわり号」から「開館」した。
 このように移動図書館車の装備や活動内容は,まさに図書館の理念を体現している。本フォーラムでは,移動図書館活動の過去をしっかりと見つめ直し,現在の活動を再評価したうえで,移動図書館の未来を展望する。移動図書館の過去,現在,未来へのバトンをつなぐため,さまざまな立場からのパネリストをお招きし,課題と展望を共有し,ともに移動図書館を育んでいきたい。」
   (https://www.libraryfair.jp/forum/2018/6796) *2018年11月6日参照
 鹿児島県の指宿市立図書館の指定管理者であるそらまめの会が、クラウドファンディングで寄付を募り、ブックカフェ号を走らせるというプロジェクトを実現されたことが少し前に大きな話題となりました。その、そらまめの会の下吹越かおるさんが登壇されるということで話を聴いてみたいと思ったのが、このフォーラムを選んだ理由です。税金のみに頼らない新たな資金源としてクラウドファンディングを活用されたということで、個人的に注目していました。
はじめに石川敬史氏より趣旨説明があり、パネリスト各々がお話をされるという構成でした。
 趣旨説明では、まず日本の代表的な移動図書館車である東京都日野市の「ひまわり号」、千葉県立図書館の「ひかり号」、シャンティ国際ボランティア会の移動図書館車の紹介があり、また統計的に見て日本の移動図書館車の減少は近年ゆるやかなものに留まっているというお話がありました。その中で、それぞれの移動図書館はその時代の理念を体現しているのではないかという指摘があり、たいへん興味深く感じました。
 そして移動図書館とは、図書館が移動しその先で図書館員がサービスを提供する、車に限らず自転車やリヤカー、また船も移動手段として含まれるという定義が示されました。
 続いて梅澤幸平氏から、過去にご自身が北海道で移動図書館車に乗って勤務されていたお話がありました。北海道という土地柄、移動距離が長く、移動図書館車を運行すると数泊しなければならなかった、また道路に牛などの動物が居たなど、その土地ならではのエピソードの紹介がありました。梅澤幸平氏の著書『図書館からの贈り物』(梅澤幸平・日外アソシエーツ・2012年12月)を以前に拝読していたのですが、そのような記述があったな本の内容が思い起こされます。
 中山真一氏からは、今現在も運行されている横浜市の移動図書館「はまかぜ号」についてのお話でした。巡回ステーション数や巡回間隔といった運行状況、貸出冊数、移動図書館の利用方法等の説明から、実際に運行するに当っての様々なエピソードの紹介がありました。
 移動図書館の運行の中で子育て支援と高齢者支援を意識しているとのこと。
そして下吹越かおる氏のお話です。まずは指宿市立図書館の歴史や沿革について紹介がありました。指宿市の図書館は、椋鳩十をはじめとして島尾敏雄や海音寺潮五郎といった作家達と深い縁があるということ。そしてブックカフェ号について。クラウドファンディングで資金を募ったこと、バリューブックスのブックバスを参考にしたこと、この活動について文科省の中教審が関心をもったこと、横浜市都筑区が参考にしていること、この動きが全国に波及しつつあること、そのようなお話があり興味深く拝聴しました。
 林田理花氏からは、移動図書館車は熟練の職人さんが作っていることというお話がり、林田製作所の工場の様子を撮影した映像が映し出されます。
質疑応答については時間の関係でお一人だけとのことで、フロアから「今後の移動図書館に求められる機能とは何か?」という質問が飛びました。その質疑に対し、林田理花氏から、例えば移動図書館車を電源とした場合に何十台ものスマートフォンの充電が出来ることなど、災害時においても果たせる役割があるのではないかという答えがありました。
 そして最後にパネリストの方々から一言ずつコメントがありました。簡潔にまとめると以下の通りです。
・林田理花氏 移動図書館車は電源になる、災害時に強い車である。
・下吹越かおる氏 (ブックカフェ号について)カフェと移動図書館、二つの機能の兼ね合いについて、また行政とタッグを組めないか。
・梅澤幸平氏 先達の残したものも使い切っているか? そのような疑問がある。未来を考えること。
 フォーラムの内容は以上の通りです。次に私がこのフォーラムに参加して感じたこと、考えたことを書きたいと思います。
 実を言うと私自身は移動図書館を利用した経験がなく、実体験からではなくあくまでも聞いた話や本で読んだことから考えを巡らせることになります。その中でもただ一つ実体験に近い形で感じるのは、自動車が主たる交通手段である地方ではアウトリーチという形で移動図書館による図書館サービスの可能性があるのではないかということ。
 私自身が地方は滋賀県の田舎で生まれ育ちました。そして今現在も自動車の運転免許を所持していません。そのような身としては、地方で生活していると自動車の運転が出来ないと致命的と言っていいほど行動範囲が狭まり、不便さを強いられることになります。自動車の運転が出来ればよいのですが、運転が出来ない高齢者の方や子ども等にとってみればまさに死活問題です。そこでアウトリーチという形での移動図書館によるサービスは非常に有効なのではないかと感じました。
数年前に『地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減』(増田寛也著・中央公論新社・2014年8月)という本が話題になりました。また映画化もされた山内マリコの小説『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎・2012年8月)では、地方での“車文化”のリアリティがよく描かれています。そういったことを考え合わせた場合に、地方において自動車の運転が出来る/出来ないは大きな格差となっているのではないでしょうか。そして、その格差を埋めるために移動図書館という存在は有効ではないかと考えを巡らせました。
 また石川敬史氏の趣旨説明の中にあった「移動図書館はその時代の理念を体現している」というフレーズも考えさせられるものでした。東京都の日野市立図書館が一台の移動図書館車からサービスを開始したこと、シャンティ国際ボランティア会の移動図書館車が東日本大震災という大災害の中で大きな役割を果たしたこと、そして今現在は指宿のブックカフェ号がクラウドファンディングを用いてという意味でも大きな注目を集めていること、それらを考え合わせると石川敬史氏の発言も首肯が出来るのではないかと感じました。
 より深く考えてみると、移動図書館という存在は文字通り“移動”することの出来るフットワークの軽い存在です。例えば一般的な図書館の場合だと建物という移動することの出来ないハードの機能があります。その一方で移動図書館は良い意味でハードが最小限に抑えられた、図書館機能とサービスを移動させることが出来る、小回りの利く存在だと言えるのではないでしょうか。そうなるとハードという制約に捉われない分、移動図書館は時代や環境のニーズに適応しやすい図書館の在り方なのかもしれません。
 そしてパネリストの方々も非常にバランスが取れていたように感じました。梅澤幸平氏が冗談交じりに「移動図書館の過去・現在・未来で言うと私は過去の人間ですかね」とおっしゃっていましたが、過去に学ぶことも非常に大切なことだと思います。林田製作所の方の話を聴けたことも良かったですし、横浜市図書館では今現在も移動図書館が運行されていることは驚きでした。欲を言えば下吹越かおる氏からクラウドファンディングについてのお話を聴きたかったですが、それを話すとフォーラム一つ分の枠では足りないかもしれません。
 以上が「動く図書館のバトンをつなぐ―移動図書館の過去・現在・未来―」の報告になります。繰り返しになりますが、あくまでも手元のメモを見返し、フォーラムの内容を思い出しながらのレポートなので、実際に話されていること等の微妙なニュアンスが異なっていること、書ききれていないこともあるかもしれませんが、その点はご了承いただければと思います。
 個人的に参加して、また文章にまとめてみて、改めて示唆に富むフォーラムだったように感じます。
*日野市立図書館の移動図書館車については『移動図書館ひまわり号』(前川恒雄・夏葉社・2016年)、シャンティ国際ボランティア会の移動図書館車については『走れ!移動図書館: 本でよりそう復興支援』(鎌倉幸子・筑摩書房・2014年1月)を参照

図書館司書から転職してみて

転職しました、という報告を三回に分けてポストして以降、全く更新していないということに気付いて、少し今は時間的にも気持ちの面でも少し余裕があるということで、近況を書いてみたいと思います。

結論を言えば、元気にやっています。異業種への転職ということで、それなりの苦労はあり、仕事を覚えていくことも大変ではあるのですが、元気で働けていますし,長くなった通勤時間にも少し慣れてはきました。

転職に当たってのポストでは、主に待遇が転職を決意した大きな要素だと書きましたが、実際に待遇は良くはなっています。以前は公共図書館の管理職として働いていて、今は入ったばかりの新人職員。それでも月々の給与面では大して変わらない上に、現職ではボーナスも出るし、退職金も出る。また、その他の福利厚生もあります。今いるの業界でも世間一般のイメージから言えば、それほど高給を得られるという感じでもないのですが、それでも以前よりはずっと稼げるし、また昇給等の仕事をしただけ、またスキルを身に付けた分だけのインセンティブがあることはモチベーションになっています。

また、休日も土日祝日とカレンダー通りになりました。このことは思っていた以上に身体が休まるし、行きたいイベントにも行きやすくなったということで、週末を楽しめています。

以前に働いていたことろが給料が安い文句を言いたいわけでは決してなく、図書館業界全般として、待遇面のことは大変だったと思います。

さて、私が公共図書館で働いていて、そこから異業種へ転職しました。今は図書館とどう向き合っていくのかを模索中です。今でももちろん、プライベートで図書館をよく使いますし、イベントにも参加しています。しかし、今までの経験や得た知識を生かしたいし、図書館というものについての関心は変わらずあるので、これからも図書館というものに関わっていきたいと思っています。図書館の中の人ではなくなってしまったけれど、図書館の周辺の人として関わっていきたい。

そのためには、現場にいないだけ図書館についての本を読んだり、様々なイベントや勉強会にも足を運びたいと思っています。もしもこのブログをお読みいただいている方、実際にお会いする機会がありましたらよろしくお願い致します。

ここまでお読みいただきありがとうございました。取り急ぎ現況報告でした。

図書館司書の転職記・その3~所感編~

ブログをご訪問いただきありがとうございます。

今回は「図書館司書の転職記・その3~所感編~」として、転職活動の中で感じたことや考えたことをまとめてみようと思います。

前回、前々回のエントリーは下記をご覧ください。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

図書館司書の転職記・その2~実行編~

図書館司書からの転職活動は、私にとって非常によい経験となったと感じています。それは私の中での見聞が広がったこと、また自分自身を転職市場という場に出したことで見えてきた部分でもあります。

転職活動を始めるまでは、正直に言って不安が大きかった。学生時代にきちんと「就活」をしていなかったこともあって、就職活動について未知数な感触があったことが尚更に不安を強くしていたのではないかと思います。また、過去に正規職員として働いた経験がなく、そのことも不安を煽る一因でした。

しかし転職活動を始めてみて、思っていた以上に手応えがありました。幾つか応募した企業の中で書類選考を幾つか通過したのです。業種は広報であったり、営業であったり福祉の仕事であったりしたのですが。全く箸にも棒にも引っかからない状態ではなかった。それは、私が文章を書くのが得意で書類を上手く作れたからかもしれないし、学歴が評価されたのかもしれないし、今までの来歴が評価されたのかもしれないし、その業種の面から言って需要が高かったからかもしれない。そこには様々な理由が相俟っていたとは思います。

今まで図書館司書の正規職員に手当たり次第にと言ってもいいくらいに応募していて悉く書類で弾かれていた中で。面接までいけるということが自信を与えてくれました。年齢や今までのキャリアを鑑みて、少し悲観的になっていたところをあったのですが、それらの不安は良い意味で裏切られました。

この世の中には本当に様々な仕事があるんだと気付かされたことに大きな意義がありました。図書館だけが世界ではないし、今まで図書館でしか働いたことがないからといって図書館に拘ることはない、そんなことを改めて気付かされた思いです。図書館業界も言ってしまえば一つのローカルな業界であり、そこに拘泥していた自分の愚かさを発見が出来たこと、また外の世界に出ても何とかならないことはないと実感が出来たことは大きな収穫でした。

その流れで言えば、私自身の年収が低過ぎるという現実も目の当たりにしました。転職サイトの求人には年収や各種手当等が詳しく記されているのですが、自分自身が働いていた待遇と突き合わせてみた時に「うわー!」となりました。非正規とは言え管理職として働いていたのにも関わらず、流石にこの年収ではヤバいなと実感しました。直近で私が働いていたところが云々というわけではなく、図書館業界全体の問題としてのことだとは思うのですが。

また例えば、司書の正規職員の求人が出ても、給与の面では「規定による」としか書かれていないことが多い。でもそれって、あまりフェアではないと思うようになりました。私が結果的に転職したところでは、「年収を今現在より下げない」という考えを伝えたところ、電卓を出して基本給が幾ら、各種手当が幾らと計算をして、大体の給与の額を示してくれました。シビアだなあと思う反面、働くということはこれくらいシビアでないといけないなと感じました。今の図書館業界では「正規職員の司書」というだけで応募は多数あるとは思うので、そこはどうなんだろうかという感じです。

自分自身を転職市場という場に出してみる、それは一つの気付きを得られる良い機会だと思いました。前回のエントリーでも少し書きましたが、「『図書館』という枠組みを外してみた時に、何が残り、何を強みになるかを検証する過程」は、自分を見つめ直すことが出来たように思います。

また、外からの図書館業界のイメージを知ることが出来たのも新しい気付きでした。決まって「本がお好きなんですね」というようなことを言われる。自分自身が思っていた以上に、そんなイメージは根強いのだなと痛感させられました。図書館で働くイコール本が好き、というステレオタイプなイメージ…。図書館業界は、もっと外に向けて発信・PRしていくことが必要なのではと改めて思いました。

そろそろ、まとめに入ります。先にも書いたように私は学生時代にきちんと「就活」をしていなかった。そのことを補完する意味で今回の転職は大きな意味があったのではないかと思います。新卒の頃とは違ってネームバリューのあるところには入れなかったかもしれない、長く学生をやっていたせいで「失われた年月」のようなものがあるのかもしれない、でも自分はこの選択肢を積極的に選び取ったし、そのためには今までのプロセスが必要だったのだと思いたい。

そんな想いを胸にして、これから頑張っていきたいと思います。

長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

図書館司書の転職記・その2~実行編~

図書館司書の転職記録、今回はその1に引き続いて「その2~実行編~」です。今回は転職を決意してからどのようにして転職活動を行ったのか、その記録をまとめたいと思います。

前回の転職に至った経緯について書いた「図書館司書の転職記・その1~前提編~」を参照ください。下記のリンクになります。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

転職することを決意したのが2017年の終わり頃、その際に下の4つを自分自身の中で条件として設定しました。

①図書館という枠組みを外すこと

今までは図書館での正規雇用ありきという考え方でした。しかし、その考え方のままで一向にらちが明かない。そこで考え方を反転させて、今まで以上に稼ぐことありきの職場に移れるよう、考え方の優先順位を設定し直しました。図書館職員としての正規雇用といっても、公共、大学、学校、専門など様々図書館があり、法的にみてお異なるもので規定されている通り、館種によって求められるスキルや専門性も異なってきます。それらを正規職員という枠組みで括ってしまうのは、少し乱暴なのではないかという思いもありました。

②2018年の4月1日からは新しい職場で働くこと

無理にでも期限を切ることによって、そこから逆算することになりスケジュールが組み立てやすくなりますし、自分自身に良い意味でプレッシャーを与えることが出来ると考えました。また、図書館職員の正規雇用の求人が出る度に応募していたように、その都度その都度ではなく、転職する前提で物事を運ぼうという気持もありました。自分自身を完全に「転職する」という状態にもっていくということです。

③年収を今現在より下げないこと

転職しようと決意した前提を考えてみれば言わずもがなです。

④昇給等の、頑張っただけのインセンティブがあること

今まで図書館職員として非正規雇用という条件で働いてきた中での、働くこと自体のモチベーションに関わる問題でした。図書館業務の中でイベントなどの業務は増えていく、そんな中で自分自身がスキルアップしていっても昇給等の見返りがないために、働くモチベーションに決して少なくはない影響を与えていました。

 

では実際にどのように転職活動をしたのか、それは至ってシンプルです。転職サイトに登録し、職務経歴書、自己PR、Web履歴書なども転職サイトに登録しました。そして、身近な人、時にはハローワークの窓口の人にも相談に乗ってもらいながら、様々な求人に応募するという形でした。大変だったのは、業種をどうするかということです。転職を決意して期限を切っても、図書館という枠組みを外してみた時に自分自身がどんな仕事がよいのかというところから模索しなければならなかった。それは、私から「図書館」という枠組みを外してみた時に、何が残り、何を強みになるかを検証する過程でもあります。企画広報の仕事、教育系ということで大学職員、出版社、営業…。様々な業種に応募しましたが、それは自分自身の中で対話しながら、また周りの人の意見も判断材料にしながら手探りでという状況でした。

ここで結果を言ってしまえば、社会福祉の仕事に就くことになりました。福祉の仕事というとまた「給料が安い」というイメージがあるかもしれませんが、私が転職サイトを見ていた感覚では「思ったよりも安くはない」という範疇でしたし、また賞与や住宅手当等の待遇も一般的にある。一般的な企業に比べれば安いと思うのかもしれませんが、図書館職員として非正規で働くことを考えればずっと恵まれています。また、私自身の性格や特長を鑑みても、この仕事は向いているのではないかという感触があったことも大きな理由です。

そして、結果的に4月1日から」新しい職場に移ることが出来ました。

さて、このエントリーでは、実際に転職活動をしてみての流れについて書いてみました。

次のエントリーでは「所感編」として、転職活動をする中で、様々に悩み、色々と考え、また感じたことを書いてみたいと思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

久々の投稿になります。

FacebookやTwitterのTL上ではポストしました通り、2018年4月をもって図書館業界から異業種へと転職する運びとなりました。

転職に至った理由、転職活動をしてみて考えたことや感じたこと、そして図書館業界から離れて思ったことを複数回に分けてになりますが、記録に残しておきたいと思います。今回は転職に至った経緯について書いてみようかと考えています。転職への前提となった事由について、です。

転職の最大の理由は、今後に自分が結婚、また家庭を持つことを視野に入れた時に、それに見合うだけの経済的基盤を築くことが現況のままでは難しいと判断したこと。また、現況の中で正規職への道があったとしても、そのポストを得ることがいつになるのかも見えない状況の中で、年齢的なことを鑑みたとき、流石にもう待てないと思ったことです。

直近の2年8か月は、公共図書館の運営を受託するNPOで現場の管理職として働いてきました。自分一人が食べていく分には、まあ何とかなる。しかし、先に書いたように今後のこと、結婚、また家庭を持つことを視野に入れた時には厳しいと言える待遇ではありました。また、そんな状況下にいたのは下積みの意識もあったことも事実です。私は社会人としてのスタートがだいぶん遅かったから、また望んでいる業界で働けているから、なので多少の待遇の悪さは仕方がないと、そんな思いです。

勿論、そんな中でもゆくゆくは正規職で働きたいという気持はありました。正規の図書館司書の募集があれば館種・場所を問わず書類を出し、また試験を受けてみたりしたのですが、箸にも棒にも引っかからないという状況…。流石にこのままではまずいと思い続けており、そんな中、私自身が一つの区切りを迎える年齢になることもあって、転職を決意した次第です。

また本音ベースでは、一向にチャンスの巡ってこない状況への苛立ちもありました。大卒、働き盛りの30代の男性、意欲もある、そんな人間が人並みの待遇の職を得るどころか、書類選考の段階で簡単に弾かれてしまうという…。

道を抉じ開けられなかった自分自身への苛立ち、そして正規職の数が圧倒的に少ない現状になってしまっている図書館業界への苛立ち、それぞれが半々といったところでしょうか。

以上が、この度の転職についての前提です。最初は司書資格を持たないカウンター業務委託のアルバイトとして、図書館に携わる仕事に関わって4年余り。ゆくゆくは図書館で飯を食っていくと思っていましたが、そんな想いと遂に訣別する時がやってきたわけです。

次のポストでは、この前提編に続き実践編として、私自身がどのように転職活動をして、その中でどんなことを考え、また感じたのかを書いてみたいと思います。

第19回図書館総合展に参加してきました【フォーラム編】

「場としての図書館が語られることが多いが、図書館の価値は資料にある」。

以前にとあるパネルディスカッションの中で京都府立図書館の福島幸宏さんがこのようなことを発言されていました。「場としての図書館」と「資料を有する図書館」という対立軸を自分の中で形成させていった、非常に示唆に富む発言でした。

その福島さんが登壇されたフォーラムに参加してきました、第19回図書館総合展二日目の「書誌の未来:クラウドソーシングで繋ぐ、溶かす」

 

登壇者はカーリルの吉本龍司さん、京都府立図書館の福島幸宏さん、同志社大学の原田隆史さん、千葉大学の池田光雪さんの4名。タイトルの通り書誌がテーマのフォーラム、公共図書館勤務で普段は書誌作成にはあまり触れることのない自分として敢えての選択でした。以下、フォーラムの概要です。

まず、吉本さんから「書誌割れ」や、ISBNがない資料(電子書籍やフリーペーパーなど)についての問題提起と、カーリルと版元ドットコムが提供するopenBDプロジェクトについても言及がありました。

次に福島さんから京都府総合目録を作成した際のお話しがあり、それから原田さんと池田さんより先の二氏のお話を受ける形で、L-Crowdや数秒、数分で終わるマイクロボランティアを活用する等のお話がありました。

各氏のお話が終わったところ原田さんが司会で話を各氏に振っていくという流れでパネルディスカッションに移りました。

吉本さんからは書誌のプライマリーキーが欲しい、脱アマゾン、レコメンドやレビューを行う際に書誌割れは困る、地域資料のMARCが欲しいのは図書館だけではない、書誌を統合するとデータ分析に持ち込め選書や除籍についても最適化できる等の発言がありました。そして福島さんからはL-Crowdでも何度か同じ書誌を回して精度を上げている、ある程度はじめからコアなものを作って、そこにDAISYなどの様々なものをぶら下げていく等の発言がありました。また今後はAIをどう活用していくかというお話も。

 

以下、感想と所感です。

 

登壇者の皆さん、頭の回転が速く、話のテンポが速いなあと感じました。メモは必死に取ったのですが、話についていくのがやっとという感じでした。

そんな中でも書誌割れについては、個人的に(読書メーター等で)見かけることもあり興味深かったです。資料を生かすには書誌がしっかりしていることが必要だし、吉本さんがレコメンドやレビューを行う際に書誌割れは困る旨の発言をされていたと先に書きましたが、まさにその通りだと思います。些細なことかもしれませんが、読書メーター等で書誌が割れていたことがあって、非常にストレスを感じたことがあります。また仮に、Amazonなどでもしも書誌が割れていたらユーザーは非常に困惑するだろうなとも。

そして、図書館法の第三条に「図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること」という文言があるように、書誌・目録に関わることも司書の役割と考えれば、書誌の動向に気を払っておくことも必要不可欠だと感じました。ISBNが無い資料、例えば地域・郷土資料等の取り扱いにしても雑にしてはいけないと。図書館現場で民間のMARCに頼ってしまっている現状のメンタリティを何とかしたいですね。そのためにL-Crowdのマイクロボランティアに登録しようと思います。

「場としての図書館」も大事ですが、やはり「資料を有する図書館」としての面も蔑ろにしてはいけない、と痛感させられたフォーラムでした。

登壇者の発表スライドはL-Crowdのサイトで公開されていますので、関心がある方は見ていただくといいと思います。

こちらです→https://crowd4u.org/ja/projects/lcrowd

 

次に参加したのは、「Library of the Year 2017」

優秀機関は

・「20年間継続されてきた地域資料のデジタルアーカイブ事業と将来に向けた取り組み –大阪市立中央図書館

・市民と行政が育てる もちより・みつけ・わけあう広場としての図書館-瀬戸内市民図書館もみわ広場

地域情報資源を活用した公共情報資産の共創活動-ウィキペディアタウン(各地でウィキペディアタウンを企画実施したみなさんとこれをサポートしたウィキペディアンのみなさん)

の3機関でした。結果的に瀬戸内市民図書館もみわ広場がオーディエンス賞と大賞を獲得しましたが、今年もどの機関のプレゼンも熱気に満ちたもので、刺激をいただきました。特にウィキペディアタウンの代読というスタイルは印象に残りました。「Library of the Year 最終選考会」は現場に落とし込むためにというよりは、刺激や熱量を貰いにいっているという面が大きいです。

ただ、大賞決定の後の審査員のコメントも聴きたかったなという思いもあります。

 

続いては3本目のフォーラム、「次世代図書館のブランディング」。こちらは事前に申し込みはしていなかったのですが、当日受付のキャンセル待ちで入ることができました。主催は図書館流通センター、登壇者は以下の方々です。

・ 講師 : 南山宏之氏(株式会社アクサム代表取締役・CEO ディレクター、青山学院大学 非常勤講師)

・ 特別ゲスト : 菊池壮一氏(千代田区立日比谷図書文化館 図書部門長)

・コーディネーター : 高山正也氏(ライブラリー・アカデミー塾長、慶應義塾大学名誉教授、(独)国立公文書館前館長)

フォーラムの流れとしては南山さんから、ブランディングについての専門的なお話があり、その次に菊池氏から書店員としての経歴から図書館について思うことの報告や提案、その後に質疑応答という流れでした。

率直な感想としては、内容が噛み合ってないなあという印象でした。南山さんのブランディングの話は専門的過ぎて、また菊池さんのお話は南山さんの発表内容のレスポンスになっていないと。

ただ南山さんのお話の中で、機関によるフォントの統一がブランディングに繋がるという紹介事例(大英図書館等)があり、それは参考になるなと思いました。

 

以上、長くなりましたが第19回図書館総合展【フォーラム編】でした。自分も登壇する側になりたいと思いました。

 

頑張ります。

第19回図書館総合展に参加してきました【展示会場・ブース編】

標題の通り、第19回図書館総合展に参加してきました。その振り返りと、考えたこと感じたことを書いてみたいと思います。

今年は、11月7日(火)の夕方から会場のパシフィコ横浜に入り一日目交流会に参加、翌日の8日(水)はフォーラムに3つに参加してきました。

このポストは展示会場で感じたこと、考えたことをまとめてみたいと思います。

展示会場では、今年も様々な人にお会いできて、また様々なブースがあって楽しかったですね。以下、気になったことや考えたことをピックアップして書いてみたいと思います。

毎年、素敵な図書館グッズを販売しているキハラ社のブース、今年もやはり人気でフォーラムの合間には凄い行列になっていました。かくいう私もスマホリングと紙製のバッジを購入してしまいました。スマホリングは早速に使用しているのですが、図書館員の心をくすぐるお洒落なデザインで、また実用性も抜群です。

また、図書館でゲーム部さんのブースも気になりました。様々なボードゲームが展示してあり、ブースの方から様々なお話を伺うことができました。公共図書館でボードゲームを行うと、非常に盛り上がって参加者同士で連絡先を交換することがあったり、若年層から年配の方まで楽しめて、世代間交流にもなるそうですボードゲームというツールは、確かに幅広い世代に訴求できそうですし、図書館法的に見ても第二条一項の「レクリエーションに資する」という部分と大いに関わりそうですし、可能性があるなと感じました。また、個人的にご年配の利用者さんにとっての対認知症のツールとして面白いのではないかなと思いました。公共図書館でボードゲームを行うイベントも開催されているようなので、機会を設けて参加したいと思います。

伊藤伊さんのブースでは、ハサミが一つあれば本が作れるというオリジナルミニブックキットをいただきました。本の構造が理解できそうで大変ありがたいです。

さらに個人的にお世話になっている図書館パートナーズさんのブースでは、代表の北村志麻さんが上梓された『図書館員のためのイベント実践講座』(樹村房)を購入させていただきました。点字版の官報を再利用したグッズも販売されていて、素敵な再利用の仕方だなと思いました。

同人誌即売会「としょけっと」さんのコーナーも気になりました。「図書館が出てくる同人誌」「図書館員が作った同人誌」を委託販売しているとのこと。初日で早くも売り切れている本が目に付き、またSNS上での盛り上がりも伝わってきており盛況の様子でした。

その他にスピーカーズコーナーやポスターセッションなど、じっくり回りたくても時間が取れなかったところもありました。さすがにフォーラム3本は多かったかもという気もしないでもないですね。

図書館総合展の展示会場は様々な人達が、様々な立場で参加していらっっしゃって、熱気がすごいなといつも思います。そんな熱気にあてられること、また様々な知り合いの方にお会いできること、新しい人との出会いがあるなど、図書館総合展はなんだかんだ言っても楽しみなイベントです。

 

かつて本当にうだつの上がらない大学院生で、将来のことも全く見通しが立たず頭を抱えていた自分は、様々な図書館関係者に本当に様々な関係者の方にお世話になり、面倒を見ていただきました。与えていただいたものが非常に大きいです。恩送りやギフトの概念ではないですが、今後は自分が与える側にならなければならないと思うことができました。それがまだまだ先のことでも、そう思えるようになったことは、自分が少しでも成長できていることなのではないかと感じています。

頑張ります。