平成30年11月20日(火)「練馬区の図書館専門員ってなーに?」に参加して【レポート編】

ストライキ―①労働条件に維持・向上その他の目的を実現するために、労働者が集団的に業務を停止すること。ストライキ権は、団結権・団体交渉権と共に労働者の基本的権利に属するが、公務員・国営企業職員・地方公営企業職員は法律によって禁止される。(『広辞苑 第五版』・1998・岩波書店)

このストライキという言葉が、図書館の現場で働く人たちから掲げられたことに衝撃を受けられた方も多いのではないでしょうか。練馬区が直営で運営する公立図書館2館について民間に運営を任せるという動きがあり、そのことに反対する当該図書館等で働く非常勤職員「図書館専門員」の方々が立ち上がり、ニュースに取り上げられたり、SNS上でも大きな話題となったのは記憶に新しいところです。

その動きですが、Twitterでの情報によれば平成31年1月21日の団体交渉で、 石神井、練馬図書館への指定管理者導入の提案は妥結となったとのことです。

(ソース元はこちら→https://twitter.com/nerisen_lib/status/1090903310582788096)

さて、この記事では、このストライキの動きに先立つ昨年の11月20日(火)、標題練馬市役所で開催された標題の交流会のレポートをしたいと思います。その当時は「区立図書館2館の指定管理者制度を導入しての運営に反対するための集会」といったニュアンスだったと記憶しています。私自身、練馬区の図書館は身近な存在ということもあって、時間休を取って参加してきました。

前置きが長くなりましたが、今回はそのことについてレポートをしておきたいと思います。手元に控えたメモ書きをもとにして書いていくことになるので、実際に話されたことと少し食い違いなどがあるかもしれません。もし何かございましたら、ご意見、ご指摘などいただければ幸いです。

この集会は「図書館専門員との交流会」とチラシにあったように、図書館専門員の方達が市民の人に自分たちの仕事について知ってもらうための集会と位置付けられているようでした。会全体としては、第一部が図書館専門員の仕事内容などの紹介、第二部が図書館専門員の置かれている現状についての報告の構成、という二部構成です。ちなみにですが、会の最初に「指定管理者の是非を問うための集まりではない」という断りがあったことを付記しておきます。

まず第一部ではパワーポイントのスライドを使って、図書館専門員の仕事内容の紹介がありました。日々の業務について、具体例を交えたレファレンスについての説明、地域資料を生み出すということ、児童サービスについてなどの説明がクイズ形式も交えつつ紹介されていきます。

そして、その後に質疑応答があり、

(1)本を除籍する際の基準や選択について

(2)選書について

(3)除籍した本とリサイクル資料の行き先について

(4)除籍と本を置くスペースの問題について

(5)マンガの取り扱いについて

以上の5つの質問があり、いずれの質問にも図書館専門員の方々が丁寧に回答されている姿が印象的でした。

そして第二部は、「練馬区立図書館専門員の現状」というテーマでお話です。ここで手元のメモを見返すと、「練馬図書館のカウンターを取り返した」、「根幹的業務が大事、それを維持するのは直営でないと出来ない」とあります。カウンター業務に比重を置かれていること、公共図書館を運営するに当たっては直営の方が望ましいというようなお話がされていたように記憶しています。

図書館専門員の方々が受ける研修についてもお話があり、国立国会図書館、東京都立図書館、図書館総合展、図書館大会や、さらに自己研修として様々な場所に行かれているとのこと。その流れで、「森羅万象について根拠を示せる」ことが図書館の強みだということが話されています。

そして、次に練馬区との団体交渉についての話になります。この集まりの核心と言える部分かもしれません。冒頭に書いたように、練馬区が直営で運営する公立図書館2館について民間に運営を任せるという動きについて、現状がどのようになっているかというお話でした。

その中でも「練馬区立図書館のカウンターに立ちたい」。そのことを切実な口調でおっしゃっていたのが強く印象に残る内容でした。だからこそ「今を失うと行き場がない」と。練馬区からは、練馬区立図書館から区内の学校図書館へ配置換えの提案があったとのことなのですが、それは受け入れられるものではないとのことでした。

以上を結びとして、第二部のお話は終了し、全体の質疑応答へと入ります。

まず「労使協定は1月までなのか?」という質疑が挙がりました。その質疑については会場内にいた練馬区議会議員の方にマイクが向けられ、 「この件に関して要望と陳情は行っている、12月中に議会を開きたい」とのこと。またこの議員の方から「民間の方がサービスに寄与する根拠を示してほしいという資料請求をした」とのお話もありました。

その後に、過去に指定管理者制度のもとで運営されている図書館で勤務経験のある図書館専門員のお話がありました。実体験に基づいた指定管理者制度のもとで公共図書館が運営されることへの弊害というような内容でしょうか。

具体的には、「10年間勤めていたが、2度目の更新時に選定されなかった」、「引継ぎのノウハウが共有されない」、「おはなし会が出来ない」、「イベントを開催しろという会社の方針があった」、「委託で職員を採用する際に司書資格が無くでも採用してしまう」、「更新毎に雇用とノウハウがリセットされてしまう」という内容のエピソードが語られました。

そして全体の最後として、組合の委員長を会場全体で激励するという流れで「練馬区の図書館専門員ってなーに?」は締め括られました。

以上が、「練馬区の図書館専門員ってなーに?」に参加しての内容的なレポートになります。私自身、過去に図書館で働いていた身として様々な想いを抱きましたが、所感の方はまた次回の記事にアップしようと思っています。

【二年前に書いたもの】(仮)地域の図書館職員の役割

またしても久しぶりの更新になります。

今回はまだレポートが終わっていない第20回図書館総合展の続きではなく、少し前に書いた文章を載せてみたいと思います。

実は、2年前に某所の司書の試験を受けていて、そこの課題が約1500字の作文でした。私としては随分と気合を入れて一生懸命書いたつもりだったのですが書類も通過せずという有様でした。で、ですね、一昨日からインフルエンザに罹患してしまいました。体調の方はすっかり良くなったのですが、まだしばらくは他の人に感染させる恐れがあるということでしばらくは出勤が出来ない、ということでいそいそと部屋の整理をしていたら、上の作文を久々に読み返す機会がありまして、せっかくなのでこのブログに載せておきたいと思いました。テーマは「地域における図書館員の在り方」とか、そういうニュアンスのものです。当時の私なりに一生懸命書いたので、またそれなりに頑張ってる感もある文章なので、せっかくなのでこの場で公開しておきます。

【以下から作文】

地域の読書活動推進に必要な図書館員の役割とは、「場としての図書館」と「本や情報を利用・活用するための図書館」、この二つを軸としたサービスを推し進め、また持続させることだと考える。そのことを通じて、本や情報を、地域の人々にとって身近に感じてもらうことが、読書活動推進の大きな役目を果たすのではないか。では、二つの軸について具体例を挙げ詳述していく。

「場としての図書館」とは、人と情報が、情報と情報が、人と人とが繋がる「場」である。読書会や回想法、ビブリオバトルやブックスタートなどのイベントを行うことにより、「繋がる場」としての図書館を機能させていくことが必要である。そのような「場」において、本は非常に有効なツールである。その点についてはLibrary of the Year2011年の大賞を受賞した長野県小布施立町立図書館まちとしょテラソの取り組みは示唆に富んでいる(1)。まちとしょテラソでの一箱古本市の開催や(2)、「小布施まちじゅう図書館構想」(3)など、図書館がその枠を飛び出し本のある空間を拡張する試みがなされている。その活動について猪谷千香は「『交流と創造を楽しむ文化の拠点』として機能し」ていると指摘している(4)

繋がる「場」としての図書館を拡充させていくことにより、人と情報が、情報と情報が、そして人と人とが繋がり、地域の読書活動推進に結びつくのではないか。

次に「本や情報を利用・活用するための図書館」について述べる。端的に言ってしまえば、デジタルアーカイブという視点から、図書館資料を収集・保存・公開することである。その一例が図書館の電子書籍貸出サービスである。札幌市中央図書館の淺野隆夫は「図書館における電子図書館サービスの事例」(5)の中で、

事実上一点ものが多い地域・行政資料を電子化し、検索機能もしっかりつけることで保存と活用が進むこと、地域の住民の情報発信のプラットフォームとしても使えることから電子書籍貸出サービスが、札幌をキーワードとしたさまざまな資料を安定的に保存し、ネットの力を利用して積極的に発信・PRできることがわかった

と述べている。同論の中で昭和25年発行以来60年分の「広報さっぽろ」などを電子化したとあり、「変わるもの変わらないものの対比も実に興味深い」(6)という所感が寄せられていることから、一般的に埋もれがちな地域・行政資料の利用・活用に有効なことが示されている。このように、情報へアクセスする新たなツールとしての電子書籍貸出サービスを導入することが、地域の読書活動推進の一助となるのではないか。

また、地域の情報をWikipedia上に編集するイベント、ウィキペディアタウンも「本や情報を利用・活用するための図書館」としての機能を果たすと考えられることも付記しておく。

以上、図書館サービスを二つの視点から述べてきた。その上で図書館職員の役割についてあらためて考えてみたい。上記のサービスを提供するには人や資金や情報といったリソースが必要不可欠である。図書館職員には、これらのリソースを繋ぎ、活用し、振り分けるコーディネーターとしての役割が求められる。そして様々なリソースのハブとなり、「場としての図書館」と「本や情報を利用・活用するための図書館」という二つの軸で図書館サービスを推し進め、持続させていくこと、そのことが地域の読書活動推進に必要な図書館職員の役割だと考える。

(1)まちとしょテラソの受賞については  http://www.iri-net.org/loy/loy2011.htmlを参照(2017/09/05アクセス)まちとしょテラソでの一箱古本市の様子については『はなぼん』(花井裕一郎・文屋・2013年1月)の156p-157pを参照

(2) http://machitoshoterrasow.com/pg675.html  (2017/09/05アクセス)。また『つながる図書館』(猪谷千香・筑摩書房・2014年1月)56pにも記述がある。

(3)『つながる図書館』(猪谷千香・筑摩書房・2014年1月)59p

(4)『デジタルアーカイブとは何か―理論と実践―』(岡本真/柳与志夫責任編集・勉誠出版・2015年6月)所収

(5)同上、121p

(6)同上、123p

【以上になります】

 

久々に読み返してみましたが、今現在の自分とあまりスタンスがぶれていない事が一つの発見でした。

何かご意見等ありましたら、よろしくお願い致します。

 

先日、三越本店の近くにたまたま行く機会があったので写真を撮ってきました。

図書館司書から転職してみて

転職しました、という報告を三回に分けてポストして以降、全く更新していないということに気付いて、少し今は時間的にも気持ちの面でも少し余裕があるということで、近況を書いてみたいと思います。

結論を言えば、元気にやっています。異業種への転職ということで、それなりの苦労はあり、仕事を覚えていくことも大変ではあるのですが、元気で働けていますし,長くなった通勤時間にも少し慣れてはきました。

転職に当たってのポストでは、主に待遇が転職を決意した大きな要素だと書きましたが、実際に待遇は良くはなっています。以前は公共図書館の管理職として働いていて、今は入ったばかりの新人職員。それでも月々の給与面では大して変わらない上に、現職ではボーナスも出るし、退職金も出る。また、その他の福利厚生もあります。今いるの業界でも世間一般のイメージから言えば、それほど高給を得られるという感じでもないのですが、それでも以前よりはずっと稼げるし、また昇給等の仕事をしただけ、またスキルを身に付けた分だけのインセンティブがあることはモチベーションになっています。

また、休日も土日祝日とカレンダー通りになりました。このことは思っていた以上に身体が休まるし、行きたいイベントにも行きやすくなったということで、週末を楽しめています。

以前に働いていたことろが給料が安い文句を言いたいわけでは決してなく、図書館業界全般として、待遇面のことは大変だったと思います。

さて、私が公共図書館で働いていて、そこから異業種へ転職しました。今は図書館とどう向き合っていくのかを模索中です。今でももちろん、プライベートで図書館をよく使いますし、イベントにも参加しています。しかし、今までの経験や得た知識を生かしたいし、図書館というものについての関心は変わらずあるので、これからも図書館というものに関わっていきたいと思っています。図書館の中の人ではなくなってしまったけれど、図書館の周辺の人として関わっていきたい。

そのためには、現場にいないだけ図書館についての本を読んだり、様々なイベントや勉強会にも足を運びたいと思っています。もしもこのブログをお読みいただいている方、実際にお会いする機会がありましたらよろしくお願い致します。

ここまでお読みいただきありがとうございました。取り急ぎ現況報告でした。

図書館司書の転職記・その3~所感編~

ブログをご訪問いただきありがとうございます。

今回は「図書館司書の転職記・その3~所感編~」として、転職活動の中で感じたことや考えたことをまとめてみようと思います。

前回、前々回のエントリーは下記をご覧ください。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

図書館司書の転職記・その2~実行編~

図書館司書からの転職活動は、私にとって非常によい経験となったと感じています。それは私の中での見聞が広がったこと、また自分自身を転職市場という場に出したことで見えてきた部分でもあります。

転職活動を始めるまでは、正直に言って不安が大きかった。学生時代にきちんと「就活」をしていなかったこともあって、就職活動について未知数な感触があったことが尚更に不安を強くしていたのではないかと思います。また、過去に正規職員として働いた経験がなく、そのことも不安を煽る一因でした。

しかし転職活動を始めてみて、思っていた以上に手応えがありました。幾つか応募した企業の中で書類選考を幾つか通過したのです。業種は広報であったり、営業であったり福祉の仕事であったりしたのですが。全く箸にも棒にも引っかからない状態ではなかった。それは、私が文章を書くのが得意で書類を上手く作れたからかもしれないし、学歴が評価されたのかもしれないし、今までの来歴が評価されたのかもしれないし、その業種の面から言って需要が高かったからかもしれない。そこには様々な理由が相俟っていたとは思います。

今まで図書館司書の正規職員に手当たり次第にと言ってもいいくらいに応募していて悉く書類で弾かれていた中で。面接までいけるということが自信を与えてくれました。年齢や今までのキャリアを鑑みて、少し悲観的になっていたところをあったのですが、それらの不安は良い意味で裏切られました。

この世の中には本当に様々な仕事があるんだと気付かされたことに大きな意義がありました。図書館だけが世界ではないし、今まで図書館でしか働いたことがないからといって図書館に拘ることはない、そんなことを改めて気付かされた思いです。図書館業界も言ってしまえば一つのローカルな業界であり、そこに拘泥していた自分の愚かさを発見が出来たこと、また外の世界に出ても何とかならないことはないと実感が出来たことは大きな収穫でした。

その流れで言えば、私自身の年収が低過ぎるという現実も目の当たりにしました。転職サイトの求人には年収や各種手当等が詳しく記されているのですが、自分自身が働いていた待遇と突き合わせてみた時に「うわー!」となりました。非正規とは言え管理職として働いていたのにも関わらず、流石にこの年収ではヤバいなと実感しました。直近で私が働いていたところが云々というわけではなく、図書館業界全体の問題としてのことだとは思うのですが。

また例えば、司書の正規職員の求人が出ても、給与の面では「規定による」としか書かれていないことが多い。でもそれって、あまりフェアではないと思うようになりました。私が結果的に転職したところでは、「年収を今現在より下げない」という考えを伝えたところ、電卓を出して基本給が幾ら、各種手当が幾らと計算をして、大体の給与の額を示してくれました。シビアだなあと思う反面、働くということはこれくらいシビアでないといけないなと感じました。今の図書館業界では「正規職員の司書」というだけで応募は多数あるとは思うので、そこはどうなんだろうかという感じです。

自分自身を転職市場という場に出してみる、それは一つの気付きを得られる良い機会だと思いました。前回のエントリーでも少し書きましたが、「『図書館』という枠組みを外してみた時に、何が残り、何を強みになるかを検証する過程」は、自分を見つめ直すことが出来たように思います。

また、外からの図書館業界のイメージを知ることが出来たのも新しい気付きでした。決まって「本がお好きなんですね」というようなことを言われる。自分自身が思っていた以上に、そんなイメージは根強いのだなと痛感させられました。図書館で働くイコール本が好き、というステレオタイプなイメージ…。図書館業界は、もっと外に向けて発信・PRしていくことが必要なのではと改めて思いました。

そろそろ、まとめに入ります。先にも書いたように私は学生時代にきちんと「就活」をしていなかった。そのことを補完する意味で今回の転職は大きな意味があったのではないかと思います。新卒の頃とは違ってネームバリューのあるところには入れなかったかもしれない、長く学生をやっていたせいで「失われた年月」のようなものがあるのかもしれない、でも自分はこの選択肢を積極的に選び取ったし、そのためには今までのプロセスが必要だったのだと思いたい。

そんな想いを胸にして、これから頑張っていきたいと思います。

長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

図書館司書の転職記・その2~実行編~

図書館司書の転職記録、今回はその1に引き続いて「その2~実行編~」です。今回は転職を決意してからどのようにして転職活動を行ったのか、その記録をまとめたいと思います。

前回の転職に至った経緯について書いた「図書館司書の転職記・その1~前提編~」を参照ください。下記のリンクになります。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

転職することを決意したのが2017年の終わり頃、その際に下の4つを自分自身の中で条件として設定しました。

①図書館という枠組みを外すこと

今までは図書館での正規雇用ありきという考え方でした。しかし、その考え方のままで一向にらちが明かない。そこで考え方を反転させて、今まで以上に稼ぐことありきの職場に移れるよう、考え方の優先順位を設定し直しました。図書館職員としての正規雇用といっても、公共、大学、学校、専門など様々図書館があり、法的にみてお異なるもので規定されている通り、館種によって求められるスキルや専門性も異なってきます。それらを正規職員という枠組みで括ってしまうのは、少し乱暴なのではないかという思いもありました。

②2018年の4月1日からは新しい職場で働くこと

無理にでも期限を切ることによって、そこから逆算することになりスケジュールが組み立てやすくなりますし、自分自身に良い意味でプレッシャーを与えることが出来ると考えました。また、図書館職員の正規雇用の求人が出る度に応募していたように、その都度その都度ではなく、転職する前提で物事を運ぼうという気持もありました。自分自身を完全に「転職する」という状態にもっていくということです。

③年収を今現在より下げないこと

転職しようと決意した前提を考えてみれば言わずもがなです。

④昇給等の、頑張っただけのインセンティブがあること

今まで図書館職員として非正規雇用という条件で働いてきた中での、働くこと自体のモチベーションに関わる問題でした。図書館業務の中でイベントなどの業務は増えていく、そんな中で自分自身がスキルアップしていっても昇給等の見返りがないために、働くモチベーションに決して少なくはない影響を与えていました。

 

では実際にどのように転職活動をしたのか、それは至ってシンプルです。転職サイトに登録し、職務経歴書、自己PR、Web履歴書なども転職サイトに登録しました。そして、身近な人、時にはハローワークの窓口の人にも相談に乗ってもらいながら、様々な求人に応募するという形でした。大変だったのは、業種をどうするかということです。転職を決意して期限を切っても、図書館という枠組みを外してみた時に自分自身がどんな仕事がよいのかというところから模索しなければならなかった。それは、私から「図書館」という枠組みを外してみた時に、何が残り、何を強みになるかを検証する過程でもあります。企画広報の仕事、教育系ということで大学職員、出版社、営業…。様々な業種に応募しましたが、それは自分自身の中で対話しながら、また周りの人の意見も判断材料にしながら手探りでという状況でした。

ここで結果を言ってしまえば、社会福祉の仕事に就くことになりました。福祉の仕事というとまた「給料が安い」というイメージがあるかもしれませんが、私が転職サイトを見ていた感覚では「思ったよりも安くはない」という範疇でしたし、また賞与や住宅手当等の待遇も一般的にある。一般的な企業に比べれば安いと思うのかもしれませんが、図書館職員として非正規で働くことを考えればずっと恵まれています。また、私自身の性格や特長を鑑みても、この仕事は向いているのではないかという感触があったことも大きな理由です。

そして、結果的に4月1日から」新しい職場に移ることが出来ました。

さて、このエントリーでは、実際に転職活動をしてみての流れについて書いてみました。

次のエントリーでは「所感編」として、転職活動をする中で、様々に悩み、色々と考え、また感じたことを書いてみたいと思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

久々の投稿になります。

FacebookやTwitterのTL上ではポストしました通り、2018年4月をもって図書館業界から異業種へと転職する運びとなりました。

転職に至った理由、転職活動をしてみて考えたことや感じたこと、そして図書館業界から離れて思ったことを複数回に分けてになりますが、記録に残しておきたいと思います。今回は転職に至った経緯について書いてみようかと考えています。転職への前提となった事由について、です。

転職の最大の理由は、今後に自分が結婚、また家庭を持つことを視野に入れた時に、それに見合うだけの経済的基盤を築くことが現況のままでは難しいと判断したこと。また、現況の中で正規職への道があったとしても、そのポストを得ることがいつになるのかも見えない状況の中で、年齢的なことを鑑みたとき、流石にもう待てないと思ったことです。

直近の2年8か月は、公共図書館の運営を受託するNPOで現場の管理職として働いてきました。自分一人が食べていく分には、まあ何とかなる。しかし、先に書いたように今後のこと、結婚、また家庭を持つことを視野に入れた時には厳しいと言える待遇ではありました。また、そんな状況下にいたのは下積みの意識もあったことも事実です。私は社会人としてのスタートがだいぶん遅かったから、また望んでいる業界で働けているから、なので多少の待遇の悪さは仕方がないと、そんな思いです。

勿論、そんな中でもゆくゆくは正規職で働きたいという気持はありました。正規の図書館司書の募集があれば館種・場所を問わず書類を出し、また試験を受けてみたりしたのですが、箸にも棒にも引っかからないという状況…。流石にこのままではまずいと思い続けており、そんな中、私自身が一つの区切りを迎える年齢になることもあって、転職を決意した次第です。

また本音ベースでは、一向にチャンスの巡ってこない状況への苛立ちもありました。大卒、働き盛りの30代の男性、意欲もある、そんな人間が人並みの待遇の職を得るどころか、書類選考の段階で簡単に弾かれてしまうという…。

道を抉じ開けられなかった自分自身への苛立ち、そして正規職の数が圧倒的に少ない現状になってしまっている図書館業界への苛立ち、それぞれが半々といったところでしょうか。

以上が、この度の転職についての前提です。最初は司書資格を持たないカウンター業務委託のアルバイトとして、図書館に携わる仕事に関わって4年余り。ゆくゆくは図書館で飯を食っていくと思っていましたが、そんな想いと遂に訣別する時がやってきたわけです。

次のポストでは、この前提編に続き実践編として、私自身がどのように転職活動をして、その中でどんなことを考え、また感じたのかを書いてみたいと思います。

図書館員としての個人名刺を作る

以前に、図書館員が名刺を持っていないことについて少し書きました。こちらです→図書館の名刺と、少しのもやもや

自分自身の状況が転変する中、今の職場で名刺を持たせてもらえるようになったのですが、それとは別に個人名刺を作りました。前に偉そうに書いておきながらやっとか、と言った声が飛んできそうですが・・・。

個人名刺を改めて作ろうと思ったのは、理由があります。

まずは、自分個人のブランディングのためです。職場の名刺はその職場・組織の人間である、ということを示す意味合いもあります。でもそうではなく、シンプルに一個人・一司書としての自分の名刺を持とうと思ったからです。

次の理由として、職場の名刺でFacebookなどの繋がりを作っていたのですが、自分自身はFacebookと職場とは分けているために、職場の名刺でFacebookの個人的な繋がりを作っていくのは少し違うのではないか、と思っていたことです。

この2点が個人名刺も持とうと思った動機です。

 

では、どうやって作ったか、以下は個人的な実践です。

ラクスルというフライヤーや名刺などの印刷物をオンラインで扱っている会社があり、そちらで作りました。値段は、100枚・カラー両面印刷で500円程度からと、わりとリーズナブルです。

デザインについては、あらかじめラクスルのサイトでフォーマットが何種類も用意されているのでそちらを利用しました。フォーマットの編集に慣れるまで少し手間取るかもしれませんが、そこまで難しい作業ではありません。

肩書の所はシンプルに「司書」、「Librarian」としました。そして名前、あとはFacebookなどのアカウント名やメールアドレスを入れます。そして、余白に知人に書いてもらったイラストをデータにして貼り付けて完成としました(ちなみにイラストのモチーフは「図書館の神様」です)。

実際に出来上がってみると、「司書」や「Librarian」って肩書はけっこう様になるように思いました。またシンプルなフォーマットを使ったっため、それが逆に良い感じになっています。もちろん、プロのデザイナーさんが作ったようなものと比べると見劣りはするかもしれませんが、個人的に充分に満足な出来栄えになっています。デザインに明るかったり、イラストが得意だったりする人は、もっと工夫が出来るかもしれませんね。

というわけで、簡単に名刺は作ろうと思えば作れるよ、という話でした。また、自分はラクスルを使ったのですが、他にも色んな方法もあると思うので、調べて実践してみるのもいいと思います。もしかしたらもっとリーズナブルかもしれません。

 

個人的に(プライベートとしての位置づけで)さまざまなイベントなどに出掛けて行くことが多いので、そこで個人の自分をPRするためのツールとして、個人名刺の有効性は高いのではないかと勝手に思っています。また、FacebookなどのSNSで繋がりを作っていく際にも、単純に相手に名前を忘れられることがないという実用的な意味合いもあります。また個人名刺を持っているということは、もしかしたらそのこと自体が相手に与える印象を変えるのかもしれません。

最後に、自分が個人名刺を作ろうと思った強い動機付けとなった記事を紹介します。空手家図書館員こと井上昌彦さんのブログ記事です。一読をおススメします。このエントリ以上に、もっと熱く、また具体的なお話をされています。

http://karatekalibrarian.blogspot.jp/2015/03/blog-post_22.html

井上さんは「名刺がなければ相手はあなたのことを覚えてくれず、ご縁も絶対に深まりません」と書かれています。名刺を持っていない時期の自分に読ませて「個人名刺でもいいから早く持て」と言ってやりたいです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。名刺、作りましょう!

図書館で働いてきて感じたこと、または働いていて感じること

久しぶりの投稿になります。今回はタイトルの通り、今まで自分が図書館で働いてきて感じたこと、そして今現在も図書館で働いていて感じていること、そして心掛けていることについて書いてみたいと思います。

まずは図書館で働き始めてからの来歴を振り返ってみる

図書館で働き始めたのが約4年前、司書の資格を取得するため司書講習に通っていたのが3年前です。それまで長らく学生生活が続いていたこと、また司書資格も持っていなかったこと、自分自身ろくに就職したことがないこと、また図書館業界は雇用の面で非常に厳しいと聞いていたこと、以上の理由から最初は半ば「下積み」の意識もありました。

最初の図書館では業務委託のアルバイト。カウンターと配架業務、そして回送されてきた資料の処理が日々の業務でした。そこで約1年働いたのち、司書資格取得を機に指定管理の図書館で契約社員として約4か月働きました。それからその図書館を辞め、書店のバイトなどを経つつ、今の組織で働き始めたのが約2年になり今現在に至ります。今の職場では、最初の図書館で働いていた時期に比べれば、ずっと大きな裁量と自身のスキルアップの機会をもらえていると実感しています。

ただ今のところに来るまでの道程を考えてみると、決して安定はしていません。しかし浮き沈みはありながらも、少しずつでも成長を実感できています。それなりに大きな失敗もしたので、その失敗を乗り越えるべく努力もしているつもりです。また逆に自分が成長できた/できているという実感もあります。

そんな日々の中、まだまだ先を見据えて悪戦苦闘の日々が続いています。 “図書館で働いてきて感じたこと、または働いていて感じること” の続きを読む

図書館の名刺と、少しのもやもや

図書館員は名刺を持つべきだ! という主張を発信されている方々をSNSやブログなどでお見かけするここしばらくですが、結論から言えば私も個人名刺でもよいから名刺を持つべきだと思います。今は職場の方で名刺を作ってもらえる立場となり、これは大変に喜ばしいことなのですが、それとは別に個人名刺も作ろうかと考えています。本当ならもっと早く、今の職場に名刺を作ってもらう以前に、個人名刺を作っておくべきだったとつくづく感じています。昨夏の司書講習で司書の資格を無事に取得し、それで堂々と「司書」という文言を載せることが出来たのだから、もっと早くに作るべきでしたね。そこで作らなかったのは自分自身の怠惰でした(また名刺作るだけのお金もなかったという事情もありますが・・・)。

ではなぜ個人名刺を作るのか・・・、それはある組織に所属している自分とは別に、一人の図書館員としての存在意義を名刺によって示したいから、というのがまず一つ目の理由。もう一つは、SNSやメールアドレスなどの連絡先を相手に手渡すという実用的な意味が二つ目の理由(今の職場で作ってもらっている名刺はプライベートな情報は載っていないので)。

一つ目の理由は、自分自身のブランディングという側面もあります。世知辛い話をすれば、この図書館を取り巻く厳しい雇用状況の中で一つの職場・組織に勤め上げるのはなかなかないこと。組織が変わっても、自身が図書館に携わる者としてのアイデンディファイが出来る信念のようなものが必要かと思います。それを具現化したものが個人名刺なのではないかと思うのです。その信念のようなものを様々な人たちに手渡すことになるのですから、これは自分自身のPR・ブランディングになるのではないかと考えます。

二つ目の理由については、本当に言わずもがなです。名刺交換の後に連絡を取り合う手段を残しておくという至極に実用的なことですね。以前にこのブログでも紹介した、鎌倉幸子さんが書かれた『走れ! 移動図書館~本でよりそう復興支援~』(ちくまプリマー新書)に、「記録されないものは記憶されない」という一文がありますが、名刺についても言えることだと思います。

さて、いざ個人名刺を作るとなってデザインなどいろいろと考えることがあって悩みます。紙は、書体は、イラストとか入れるの、とか考えるときりがないですね。実用的な面では、SNS(主にFacebook)の連絡先は載せるとして、それに個人のメールアドレスでしょうか。あとは何か自分を表現するキャッチコピーのような肩書きが欲しいです(笑)

個人名刺については詰めていきたいので、作ったらまたこのブログで報告したいと思います!

また、名刺について印象的というよりもショックだったエピソードを。昨秋から年初めにかけて契約社員という立場で図書館員をしていたのですが、そこで会社の方に「名刺は作ってもらえるんですか?」と質問したところ、「その立場で名刺を作ってほしいと言われたのは初めてだ」と言われたこと。アルバイトではなく一応は契約社員だったので作ってもらえるのかな~、なんて甘かったですね。と言うより、他に俺と同じ立場で働いている人はいっぱいいるのに、その人たちは名刺が欲しくないの? と少し不思議な感じでした。そして、後日に同じ立場で働いているに名刺に話を振ってみたところ、「あー、使わないし要らないですよ~」という返事だったのは少しビックリしました。そういう人もいるのか、そういう人がほとんどなのかどっちなのかはわかりませんが。

そして、最後にもやもやしていることを自戒を込めて書きます。司書講習の最中に、たまたま一緒になった男子大学生の「図書館で働きたいなあ」という、呟きが妙に心に残っているのです。その原因は何だろうと考えるに、その男子大学生にとって「図書館で働く」ことがゴールになってしまっていたことなのではないかなと思います。「図書館で働きたい」という人は世にたくさんいるでしょう。でも「図書館で働く」ということ自体で言うなれば、今の時代はそんなに高いハードルではありません。時給900円くらいのアルバイトなら下手したら司書の資格などなくても働くことは可能です(実際に自分はそうでした)。そこでもう一歩、二歩と突き詰めて「図書館でどうやって、どんな風に働きたいのか?」という意識を持つのか、ということが問題になってくるように思います。「図書館で働く」ことをゴールに据えるのではなく、せめてどんなサービスを自身が提供したいのか、出来るのかを模索・実践していく必要があるかと考えています。

自分自身もまだまだ至らないところもありますが、その問題意識を忘れずにいきたいと思います。

またまた長くなってしまいましたね、ここまで読んでいただきありがとうございました。