図書館司書の転職記・その3~所感編~

ブログをご訪問いただきありがとうございます。

今回は「図書館司書の転職記・その3~所感編~」として、転職活動の中で感じたことや考えたことをまとめてみようと思います。

前回、前々回のエントリーは下記をご覧ください。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

図書館司書の転職記・その2~実行編~

図書館司書からの転職活動は、私にとって非常によい経験となったと感じています。それは私の中での見聞が広がったこと、また自分自身を転職市場という場に出したことで見えてきた部分でもあります。

転職活動を始めるまでは、正直に言って不安が大きかった。学生時代にきちんと「就活」をしていなかったこともあって、就職活動について未知数な感触があったことが尚更に不安を強くしていたのではないかと思います。また、過去に正規職員として働いた経験がなく、そのことも不安を煽る一因でした。

しかし転職活動を始めてみて、思っていた以上に手応えがありました。幾つか応募した企業の中で書類選考を幾つか通過したのです。業種は広報であったり、営業であったり福祉の仕事であったりしたのですが。全く箸にも棒にも引っかからない状態ではなかった。それは、私が文章を書くのが得意で書類を上手く作れたからかもしれないし、学歴が評価されたのかもしれないし、今までの来歴が評価されたのかもしれないし、その業種の面から言って需要が高かったからかもしれない。そこには様々な理由が相俟っていたとは思います。

今まで図書館司書の正規職員に手当たり次第にと言ってもいいくらいに応募していて悉く書類で弾かれていた中で。面接までいけるということが自信を与えてくれました。年齢や今までのキャリアを鑑みて、少し悲観的になっていたところをあったのですが、それらの不安は良い意味で裏切られました。

この世の中には本当に様々な仕事があるんだと気付かされたことに大きな意義がありました。図書館だけが世界ではないし、今まで図書館でしか働いたことがないからといって図書館に拘ることはない、そんなことを改めて気付かされた思いです。図書館業界も言ってしまえば一つのローカルな業界であり、そこに拘泥していた自分の愚かさを発見が出来たこと、また外の世界に出ても何とかならないことはないと実感が出来たことは大きな収穫でした。

その流れで言えば、私自身の年収が低過ぎるという現実も目の当たりにしました。転職サイトの求人には年収や各種手当等が詳しく記されているのですが、自分自身が働いていた待遇と突き合わせてみた時に「うわー!」となりました。非正規とは言え管理職として働いていたのにも関わらず、流石にこの年収ではヤバいなと実感しました。直近で私が働いていたところが云々というわけではなく、図書館業界全体の問題としてのことだとは思うのですが。

また例えば、司書の正規職員の求人が出ても、給与の面では「規定による」としか書かれていないことが多い。でもそれって、あまりフェアではないと思うようになりました。私が結果的に転職したところでは、「年収を今現在より下げない」という考えを伝えたところ、電卓を出して基本給が幾ら、各種手当が幾らと計算をして、大体の給与の額を示してくれました。シビアだなあと思う反面、働くということはこれくらいシビアでないといけないなと感じました。今の図書館業界では「正規職員の司書」というだけで応募は多数あるとは思うので、そこはどうなんだろうかという感じです。

自分自身を転職市場という場に出してみる、それは一つの気付きを得られる良い機会だと思いました。前回のエントリーでも少し書きましたが、「『図書館』という枠組みを外してみた時に、何が残り、何を強みになるかを検証する過程」は、自分を見つめ直すことが出来たように思います。

また、外からの図書館業界のイメージを知ることが出来たのも新しい気付きでした。決まって「本がお好きなんですね」というようなことを言われる。自分自身が思っていた以上に、そんなイメージは根強いのだなと痛感させられました。図書館で働くイコール本が好き、というステレオタイプなイメージ…。図書館業界は、もっと外に向けて発信・PRしていくことが必要なのではと改めて思いました。

そろそろ、まとめに入ります。先にも書いたように私は学生時代にきちんと「就活」をしていなかった。そのことを補完する意味で今回の転職は大きな意味があったのではないかと思います。新卒の頃とは違ってネームバリューのあるところには入れなかったかもしれない、長く学生をやっていたせいで「失われた年月」のようなものがあるのかもしれない、でも自分はこの選択肢を積極的に選び取ったし、そのためには今までのプロセスが必要だったのだと思いたい。

そんな想いを胸にして、これから頑張っていきたいと思います。

長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

図書館司書の転職記・その2~実行編~

図書館司書の転職記録、今回はその1に引き続いて「その2~実行編~」です。今回は転職を決意してからどのようにして転職活動を行ったのか、その記録をまとめたいと思います。

前回の転職に至った経緯について書いた「図書館司書の転職記・その1~前提編~」を参照ください。下記のリンクになります。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

転職することを決意したのが2017年の終わり頃、その際に下の4つを自分自身の中で条件として設定しました。

①図書館という枠組みを外すこと

今までは図書館での正規雇用ありきという考え方でした。しかし、その考え方のままで一向にらちが明かない。そこで考え方を反転させて、今まで以上に稼ぐことありきの職場に移れるよう、考え方の優先順位を設定し直しました。図書館職員としての正規雇用といっても、公共、大学、学校、専門など様々図書館があり、法的にみてお異なるもので規定されている通り、館種によって求められるスキルや専門性も異なってきます。それらを正規職員という枠組みで括ってしまうのは、少し乱暴なのではないかという思いもありました。

②2018年の4月1日からは新しい職場で働くこと

無理にでも期限を切ることによって、そこから逆算することになりスケジュールが組み立てやすくなりますし、自分自身に良い意味でプレッシャーを与えることが出来ると考えました。また、図書館職員の正規雇用の求人が出る度に応募していたように、その都度その都度ではなく、転職する前提で物事を運ぼうという気持もありました。自分自身を完全に「転職する」という状態にもっていくということです。

③年収を今現在より下げないこと

転職しようと決意した前提を考えてみれば言わずもがなです。

④昇給等の、頑張っただけのインセンティブがあること

今まで図書館職員として非正規雇用という条件で働いてきた中での、働くこと自体のモチベーションに関わる問題でした。図書館業務の中でイベントなどの業務は増えていく、そんな中で自分自身がスキルアップしていっても昇給等の見返りがないために、働くモチベーションに決して少なくはない影響を与えていました。

 

では実際にどのように転職活動をしたのか、それは至ってシンプルです。転職サイトに登録し、職務経歴書、自己PR、Web履歴書なども転職サイトに登録しました。そして、身近な人、時にはハローワークの窓口の人にも相談に乗ってもらいながら、様々な求人に応募するという形でした。大変だったのは、業種をどうするかということです。転職を決意して期限を切っても、図書館という枠組みを外してみた時に自分自身がどんな仕事がよいのかというところから模索しなければならなかった。それは、私から「図書館」という枠組みを外してみた時に、何が残り、何を強みになるかを検証する過程でもあります。企画広報の仕事、教育系ということで大学職員、出版社、営業…。様々な業種に応募しましたが、それは自分自身の中で対話しながら、また周りの人の意見も判断材料にしながら手探りでという状況でした。

ここで結果を言ってしまえば、社会福祉の仕事に就くことになりました。福祉の仕事というとまた「給料が安い」というイメージがあるかもしれませんが、私が転職サイトを見ていた感覚では「思ったよりも安くはない」という範疇でしたし、また賞与や住宅手当等の待遇も一般的にある。一般的な企業に比べれば安いと思うのかもしれませんが、図書館職員として非正規で働くことを考えればずっと恵まれています。また、私自身の性格や特長を鑑みても、この仕事は向いているのではないかという感触があったことも大きな理由です。

そして、結果的に4月1日から」新しい職場に移ることが出来ました。

さて、このエントリーでは、実際に転職活動をしてみての流れについて書いてみました。

次のエントリーでは「所感編」として、転職活動をする中で、様々に悩み、色々と考え、また感じたことを書いてみたいと思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

図書館司書の転職記・その1~前提編~

久々の投稿になります。

FacebookやTwitterのTL上ではポストしました通り、2018年4月をもって図書館業界から異業種へと転職する運びとなりました。

転職に至った理由、転職活動をしてみて考えたことや感じたこと、そして図書館業界から離れて思ったことを複数回に分けてになりますが、記録に残しておきたいと思います。今回は転職に至った経緯について書いてみようかと考えています。転職への前提となった事由について、です。

転職の最大の理由は、今後に自分が結婚、また家庭を持つことを視野に入れた時に、それに見合うだけの経済的基盤を築くことが現況のままでは難しいと判断したこと。また、現況の中で正規職への道があったとしても、そのポストを得ることがいつになるのかも見えない状況の中で、年齢的なことを鑑みたとき、流石にもう待てないと思ったことです。

直近の2年8か月は、公共図書館の運営を受託するNPOで現場の管理職として働いてきました。自分一人が食べていく分には、まあ何とかなる。しかし、先に書いたように今後のこと、結婚、また家庭を持つことを視野に入れた時には厳しいと言える待遇ではありました。また、そんな状況下にいたのは下積みの意識もあったことも事実です。私は社会人としてのスタートがだいぶん遅かったから、また望んでいる業界で働けているから、なので多少の待遇の悪さは仕方がないと、そんな思いです。

勿論、そんな中でもゆくゆくは正規職で働きたいという気持はありました。正規の図書館司書の募集があれば館種・場所を問わず書類を出し、また試験を受けてみたりしたのですが、箸にも棒にも引っかからないという状況…。流石にこのままではまずいと思い続けており、そんな中、私自身が一つの区切りを迎える年齢になることもあって、転職を決意した次第です。

また本音ベースでは、一向にチャンスの巡ってこない状況への苛立ちもありました。大卒、働き盛りの30代の男性、意欲もある、そんな人間が人並みの待遇の職を得るどころか、書類選考の段階で簡単に弾かれてしまうという…。

道を抉じ開けられなかった自分自身への苛立ち、そして正規職の数が圧倒的に少ない現状になってしまっている図書館業界への苛立ち、それぞれが半々といったところでしょうか。

以上が、この度の転職についての前提です。最初は司書資格を持たないカウンター業務委託のアルバイトとして、図書館に携わる仕事に関わって4年余り。ゆくゆくは図書館で飯を食っていくと思っていましたが、そんな想いと遂に訣別する時がやってきたわけです。

次のポストでは、この前提編に続き実践編として、私自身がどのように転職活動をして、その中でどんなことを考え、また感じたのかを書いてみたいと思います。

第19回図書館総合展に参加してきました【フォーラム編】

「場としての図書館が語られることが多いが、図書館の価値は資料にある」。

以前にとあるパネルディスカッションの中で京都府立図書館の福島幸宏さんがこのようなことを発言されていました。「場としての図書館」と「資料を有する図書館」という対立軸を自分の中で形成させていった、非常に示唆に富む発言でした。

その福島さんが登壇されたフォーラムに参加してきました、第19回図書館総合展二日目の「書誌の未来:クラウドソーシングで繋ぐ、溶かす」

 

登壇者はカーリルの吉本龍司さん、京都府立図書館の福島幸宏さん、同志社大学の原田隆史さん、千葉大学の池田光雪さんの4名。タイトルの通り書誌がテーマのフォーラム、公共図書館勤務で普段は書誌作成にはあまり触れることのない自分として敢えての選択でした。以下、フォーラムの概要です。

まず、吉本さんから「書誌割れ」や、ISBNがない資料(電子書籍やフリーペーパーなど)についての問題提起と、カーリルと版元ドットコムが提供するopenBDプロジェクトについても言及がありました。

次に福島さんから京都府総合目録を作成した際のお話しがあり、それから原田さんと池田さんより先の二氏のお話を受ける形で、L-Crowdや数秒、数分で終わるマイクロボランティアを活用する等のお話がありました。

各氏のお話が終わったところ原田さんが司会で話を各氏に振っていくという流れでパネルディスカッションに移りました。

吉本さんからは書誌のプライマリーキーが欲しい、脱アマゾン、レコメンドやレビューを行う際に書誌割れは困る、地域資料のMARCが欲しいのは図書館だけではない、書誌を統合するとデータ分析に持ち込め選書や除籍についても最適化できる等の発言がありました。そして福島さんからはL-Crowdでも何度か同じ書誌を回して精度を上げている、ある程度はじめからコアなものを作って、そこにDAISYなどの様々なものをぶら下げていく等の発言がありました。また今後はAIをどう活用していくかというお話も。

 

以下、感想と所感です。

 

登壇者の皆さん、頭の回転が速く、話のテンポが速いなあと感じました。メモは必死に取ったのですが、話についていくのがやっとという感じでした。

そんな中でも書誌割れについては、個人的に(読書メーター等で)見かけることもあり興味深かったです。資料を生かすには書誌がしっかりしていることが必要だし、吉本さんがレコメンドやレビューを行う際に書誌割れは困る旨の発言をされていたと先に書きましたが、まさにその通りだと思います。些細なことかもしれませんが、読書メーター等で書誌が割れていたことがあって、非常にストレスを感じたことがあります。また仮に、Amazonなどでもしも書誌が割れていたらユーザーは非常に困惑するだろうなとも。

そして、図書館法の第三条に「図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること」という文言があるように、書誌・目録に関わることも司書の役割と考えれば、書誌の動向に気を払っておくことも必要不可欠だと感じました。ISBNが無い資料、例えば地域・郷土資料等の取り扱いにしても雑にしてはいけないと。図書館現場で民間のMARCに頼ってしまっている現状のメンタリティを何とかしたいですね。そのためにL-Crowdのマイクロボランティアに登録しようと思います。

「場としての図書館」も大事ですが、やはり「資料を有する図書館」としての面も蔑ろにしてはいけない、と痛感させられたフォーラムでした。

登壇者の発表スライドはL-Crowdのサイトで公開されていますので、関心がある方は見ていただくといいと思います。

こちらです→https://crowd4u.org/ja/projects/lcrowd

 

次に参加したのは、「Library of the Year 2017」

優秀機関は

・「20年間継続されてきた地域資料のデジタルアーカイブ事業と将来に向けた取り組み –大阪市立中央図書館

・市民と行政が育てる もちより・みつけ・わけあう広場としての図書館-瀬戸内市民図書館もみわ広場

地域情報資源を活用した公共情報資産の共創活動-ウィキペディアタウン(各地でウィキペディアタウンを企画実施したみなさんとこれをサポートしたウィキペディアンのみなさん)

の3機関でした。結果的に瀬戸内市民図書館もみわ広場がオーディエンス賞と大賞を獲得しましたが、今年もどの機関のプレゼンも熱気に満ちたもので、刺激をいただきました。特にウィキペディアタウンの代読というスタイルは印象に残りました。「Library of the Year 最終選考会」は現場に落とし込むためにというよりは、刺激や熱量を貰いにいっているという面が大きいです。

ただ、大賞決定の後の審査員のコメントも聴きたかったなという思いもあります。

 

続いては3本目のフォーラム、「次世代図書館のブランディング」。こちらは事前に申し込みはしていなかったのですが、当日受付のキャンセル待ちで入ることができました。主催は図書館流通センター、登壇者は以下の方々です。

・ 講師 : 南山宏之氏(株式会社アクサム代表取締役・CEO ディレクター、青山学院大学 非常勤講師)

・ 特別ゲスト : 菊池壮一氏(千代田区立日比谷図書文化館 図書部門長)

・コーディネーター : 高山正也氏(ライブラリー・アカデミー塾長、慶應義塾大学名誉教授、(独)国立公文書館前館長)

フォーラムの流れとしては南山さんから、ブランディングについての専門的なお話があり、その次に菊池氏から書店員としての経歴から図書館について思うことの報告や提案、その後に質疑応答という流れでした。

率直な感想としては、内容が噛み合ってないなあという印象でした。南山さんのブランディングの話は専門的過ぎて、また菊池さんのお話は南山さんの発表内容のレスポンスになっていないと。

ただ南山さんのお話の中で、機関によるフォントの統一がブランディングに繋がるという紹介事例(大英図書館等)があり、それは参考になるなと思いました。

 

以上、長くなりましたが第19回図書館総合展【フォーラム編】でした。自分も登壇する側になりたいと思いました。

 

頑張ります。

第19回図書館総合展に参加してきました【展示会場・ブース編】

標題の通り、第19回図書館総合展に参加してきました。その振り返りと、考えたこと感じたことを書いてみたいと思います。

今年は、11月7日(火)の夕方から会場のパシフィコ横浜に入り一日目交流会に参加、翌日の8日(水)はフォーラムに3つに参加してきました。

このポストは展示会場で感じたこと、考えたことをまとめてみたいと思います。

展示会場では、今年も様々な人にお会いできて、また様々なブースがあって楽しかったですね。以下、気になったことや考えたことをピックアップして書いてみたいと思います。

毎年、素敵な図書館グッズを販売しているキハラ社のブース、今年もやはり人気でフォーラムの合間には凄い行列になっていました。かくいう私もスマホリングと紙製のバッジを購入してしまいました。スマホリングは早速に使用しているのですが、図書館員の心をくすぐるお洒落なデザインで、また実用性も抜群です。

また、図書館でゲーム部さんのブースも気になりました。様々なボードゲームが展示してあり、ブースの方から様々なお話を伺うことができました。公共図書館でボードゲームを行うと、非常に盛り上がって参加者同士で連絡先を交換することがあったり、若年層から年配の方まで楽しめて、世代間交流にもなるそうですボードゲームというツールは、確かに幅広い世代に訴求できそうですし、図書館法的に見ても第二条一項の「レクリエーションに資する」という部分と大いに関わりそうですし、可能性があるなと感じました。また、個人的にご年配の利用者さんにとっての対認知症のツールとして面白いのではないかなと思いました。公共図書館でボードゲームを行うイベントも開催されているようなので、機会を設けて参加したいと思います。

伊藤伊さんのブースでは、ハサミが一つあれば本が作れるというオリジナルミニブックキットをいただきました。本の構造が理解できそうで大変ありがたいです。

さらに個人的にお世話になっている図書館パートナーズさんのブースでは、代表の北村志麻さんが上梓された『図書館員のためのイベント実践講座』(樹村房)を購入させていただきました。点字版の官報を再利用したグッズも販売されていて、素敵な再利用の仕方だなと思いました。

同人誌即売会「としょけっと」さんのコーナーも気になりました。「図書館が出てくる同人誌」「図書館員が作った同人誌」を委託販売しているとのこと。初日で早くも売り切れている本が目に付き、またSNS上での盛り上がりも伝わってきており盛況の様子でした。

その他にスピーカーズコーナーやポスターセッションなど、じっくり回りたくても時間が取れなかったところもありました。さすがにフォーラム3本は多かったかもという気もしないでもないですね。

図書館総合展の展示会場は様々な人達が、様々な立場で参加していらっっしゃって、熱気がすごいなといつも思います。そんな熱気にあてられること、また様々な知り合いの方にお会いできること、新しい人との出会いがあるなど、図書館総合展はなんだかんだ言っても楽しみなイベントです。

 

かつて本当にうだつの上がらない大学院生で、将来のことも全く見通しが立たず頭を抱えていた自分は、様々な図書館関係者に本当に様々な関係者の方にお世話になり、面倒を見ていただきました。与えていただいたものが非常に大きいです。恩送りやギフトの概念ではないですが、今後は自分が与える側にならなければならないと思うことができました。それがまだまだ先のことでも、そう思えるようになったことは、自分が少しでも成長できていることなのではないかと感じています。

頑張ります。

図書館男子会を開催しました

またしても久々の更新になります、標題の通り図書館男子会なるものを2017年の10月8日(日)に開催したので、そのことについて書いてみます。

内容としては、
①図書館男子会を開催するまで
②当日どんな感じだったのか
③図書館男子会を開催してみて

の3点になります。

①図書館男子会を開催するまで

以前から「女子会」があるなら「男子会」があってもいいじゃないか、また図書館業界は女性が多い印象があり、マイノリティ(?)である男性達で飲み会が出来れば面白いなあ、と思っていて、Twitterでそのことを呟いてみたところ、結構リアクションがあったんです。リツイートされたり、また「面白そうですね」とメッセージをいただいたりしました。

そこで思い切ってFacebookで公開イベントを立てて、Twitterでも募集をかけてみました。特にイベントの招待も出さず、興味ある人は来てねというスタンスでしたね。またFacebookのイベントページも何件かシャアがしていただき、イベントについてコメントもいただいたりしたので、少しは関心を惹けるイベントだったのではないかなと手前味噌ながら思いました。ちなみに、「男子」の定義は自己申告制としました(笑)

結果的には自分も含めて3名で開催となりました。自分は公共図書館、Twitterで繋がりのあったSさん(実は当日がリアルでは初対面!)は大学図書館員、4年前から知り合いのNさんは民間図書館と、館種がいい意味でバラけるという感じでしたね。

場所は神保町の神田餃子屋本店。Sさんより、せっかくなので本の街であり、また千代田図書館、国立情報学研究所もある神保町、または国立国会図書館がある赤坂見附辺りでというご提案をいただいたことがその理由です。話は逸れますが、神田餃子屋本店、料理がボリュームがあり、また美味しくてその上リーズナブルでとても満足のいくお店でしたよ、また行きたい・・・。

②当日の様子

そして、結果的に言えば個人的にたいへん楽しいお話が出来ました。図書館のことはもちろん、図書館業界の動き、図書館総合展のこと、自分たちがどういうふうに働く、または働いているか、そして業界ぶっちゃけどうなのよ! ということまで、様々なことを語り合うことができて、また情報交換も出来てとても有意義だったと感じられる時間でした。

あと余談ですが、参加者全員がある程度お酒が飲める体質なようで、私もけっこう飲みました。男同士で気軽に飲むという感じで良かったです。

③図書館男子会を開催してみて

楽しかったです、率直に言って。図書館業界的にもやはり大きな変化や波があって、また様々な立場や置かれているポジションがあり、そのことについてどう考え、どう動いていくのか、様々な話が出来ました。誤解を恐れずに言うと、男性ならではの視点でじっくりと話をすることができて、新鮮な体験でした。思うことは、「図書館男子」というのも一つの切り口に過ぎず、いろんな立場の図書館に携わる人たちが、いろんな切り口から語り合う場を設けるって、とても有意義なのではないかと感じた次第です。

第二回もあるかも、です! 気になる、または参加してみたいという方がいらっしゃいましたら、その際はぜひお気軽にご参加いただければと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました! ついでに言うと、過去につけていた司書講習のブログもリライトしてみたいと思っています。

徒然、つじブログを今後ともよろしくお願い致します。

図書館員としての個人名刺を作る

以前に、図書館員が名刺を持っていないことについて少し書きました。こちらです→図書館の名刺と、少しのもやもや

自分自身の状況が転変する中、今の職場で名刺を持たせてもらえるようになったのですが、それとは別に個人名刺を作りました。前に偉そうに書いておきながらやっとか、と言った声が飛んできそうですが・・・。

個人名刺を改めて作ろうと思ったのは、理由があります。

まずは、自分個人のブランディングのためです。職場の名刺はその職場・組織の人間である、ということを示す意味合いもあります。でもそうではなく、シンプルに一個人・一司書としての自分の名刺を持とうと思ったからです。

次の理由として、職場の名刺でFacebookなどの繋がりを作っていたのですが、自分自身はFacebookと職場とは分けているために、職場の名刺でFacebookの個人的な繋がりを作っていくのは少し違うのではないか、と思っていたことです。

この2点が個人名刺も持とうと思った動機です。

 

では、どうやって作ったか、以下は個人的な実践です。

ラクスルというフライヤーや名刺などの印刷物をオンラインで扱っている会社があり、そちらで作りました。値段は、100枚・カラー両面印刷で500円程度からと、わりとリーズナブルです。

デザインについては、あらかじめラクスルのサイトでフォーマットが何種類も用意されているのでそちらを利用しました。フォーマットの編集に慣れるまで少し手間取るかもしれませんが、そこまで難しい作業ではありません。

肩書の所はシンプルに「司書」、「Librarian」としました。そして名前、あとはFacebookなどのアカウント名やメールアドレスを入れます。そして、余白に知人に書いてもらったイラストをデータにして貼り付けて完成としました(ちなみにイラストのモチーフは「図書館の神様」です)。

実際に出来上がってみると、「司書」や「Librarian」って肩書はけっこう様になるように思いました。またシンプルなフォーマットを使ったっため、それが逆に良い感じになっています。もちろん、プロのデザイナーさんが作ったようなものと比べると見劣りはするかもしれませんが、個人的に充分に満足な出来栄えになっています。デザインに明るかったり、イラストが得意だったりする人は、もっと工夫が出来るかもしれませんね。

というわけで、簡単に名刺は作ろうと思えば作れるよ、という話でした。また、自分はラクスルを使ったのですが、他にも色んな方法もあると思うので、調べて実践してみるのもいいと思います。もしかしたらもっとリーズナブルかもしれません。

 

個人的に(プライベートとしての位置づけで)さまざまなイベントなどに出掛けて行くことが多いので、そこで個人の自分をPRするためのツールとして、個人名刺の有効性は高いのではないかと勝手に思っています。また、FacebookなどのSNSで繋がりを作っていく際にも、単純に相手に名前を忘れられることがないという実用的な意味合いもあります。また個人名刺を持っているということは、もしかしたらそのこと自体が相手に与える印象を変えるのかもしれません。

最後に、自分が個人名刺を作ろうと思った強い動機付けとなった記事を紹介します。空手家図書館員こと井上昌彦さんのブログ記事です。一読をおススメします。このエントリ以上に、もっと熱く、また具体的なお話をされています。

http://karatekalibrarian.blogspot.jp/2015/03/blog-post_22.html

井上さんは「名刺がなければ相手はあなたのことを覚えてくれず、ご縁も絶対に深まりません」と書かれています。名刺を持っていない時期の自分に読ませて「個人名刺でもいいから早く持て」と言ってやりたいです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。名刺、作りましょう!

図書館で働いてきて感じたこと、または働いていて感じること

久しぶりの投稿になります。今回はタイトルの通り、今まで自分が図書館で働いてきて感じたこと、そして今現在も図書館で働いていて感じていること、そして心掛けていることについて書いてみたいと思います。

まずは図書館で働き始めてからの来歴を振り返ってみる

図書館で働き始めたのが約4年前、司書の資格を取得するため司書講習に通っていたのが3年前です。それまで長らく学生生活が続いていたこと、また司書資格も持っていなかったこと、自分自身ろくに就職したことがないこと、また図書館業界は雇用の面で非常に厳しいと聞いていたこと、以上の理由から最初は半ば「下積み」の意識もありました。

最初の図書館では業務委託のアルバイト。カウンターと配架業務、そして回送されてきた資料の処理が日々の業務でした。そこで約1年働いたのち、司書資格取得を機に指定管理の図書館で契約社員として約4か月働きました。それからその図書館を辞め、書店のバイトなどを経つつ、今の組織で働き始めたのが約2年になり今現在に至ります。今の職場では、最初の図書館で働いていた時期に比べれば、ずっと大きな裁量と自身のスキルアップの機会をもらえていると実感しています。

ただ今のところに来るまでの道程を考えてみると、決して安定はしていません。しかし浮き沈みはありながらも、少しずつでも成長を実感できています。それなりに大きな失敗もしたので、その失敗を乗り越えるべく努力もしているつもりです。また逆に自分が成長できた/できているという実感もあります。

そんな日々の中、まだまだ先を見据えて悪戦苦闘の日々が続いています。 “図書館で働いてきて感じたこと、または働いていて感じること” の続きを読む

海老名市立中央図書館に行ってきました

久々のポストになります、10か月ぶりくらいの更新ですね。

標題の通り海老名市立中央図書館に行って来ました、そのレポートです。


海老名市立中央図書館、いわゆる「TSUTAYA図書館」として有名ですね。

批判も多い図書館だということも承知してますが、一利用者として見た時に意外とこれはこれで「あり」だと思った面もあるのが正直なところです。市民のニーズを反映させたらこういう選択肢もあるのではないかと。市民のニーズとは、スターバックスコーヒー、お洒落で居心地の良い空間です。

海老名は一応は首都圏かと思いますが、一方で地方になるとスターバックスなんて結構なブランド力を持っていたりする。またTSUTAYAのノウハウを活かした都会的な空間作りも大きな魅力を持ち得ると思います。武雄や多賀城なんてその傾向が強いのではないかなと想像しています。

また、書店と図書館の機能を併せ持っている点も特徴的です。これも個人的に一利用者としたら悪くないのではないかと思いました。書店と図書館、併設されてて便利みたいな感じで(本もわりかし買う方なので)。

一方で郷土資料は、規模の割に収集やアクセサビリティが弱いかもと思いました。図書館を訪れた際、郷土資料を見る基準としてWikipedia townを開催した時をイメージしてみるのですが、ちょっと頼りない印象でした。

またTSUTAYA図書館といえばダミー書架のことをよく言われますが、やはりありました。高層書架に「DICTIONARY」と書かれた背表紙の本が並んでいて、2階か3階で手に取ってみるとなんと本ですらなくカバーだけでした・・・。こういうところが叩かれる原因の一つなんでしょうね。

図書館法第二条において、図書館は「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」と定義されているのですが、その定義や、また旧来的な図書館像から大きく逸脱しているところに反発を招いている原因でしょうか。

しかし、市民のニーズがそうさせてしまったのならそれはそれである意味仕方がなくて、外野がわいわい言うのもどうかと思います。東京に住んでいたらスターバックスコーヒーなんてあって当然ですが、地方に行くと凄いブランド力を持ってように感じていますし(ここは強調してます)、地域には地域のニーズがあります。

付け加えておくと、私は地方の人口5万人程度の市の出身です。何が言いたいというと、武雄市と同じ規模で、同じような田舎出身だということです。だからこそ、蔦屋書店のセンスやスターバックスコーヒーが地方でどのように受容されているか肌感覚でわかる気がしています。

冒頭で一利用者として見た時に意外とこれはこれで「あり」だと思った書きましたが、一つの選択肢として市民がそれを望んだのであれば、こういう形もあるのではということです。

追記:海老名市立中央図書館のオリジナルトートバッグを購入しました。大容量で、お洒落です。

本を贈るって、意外と難しい!?

前回の投稿よりだいぶん日にちが開いてしまいました、今回のエントリーは4月19日(水)の内沼晋太郎さんトークイベント、「本を贈ることについて語るときにぼくの語ること」に参加してきたので、そのレポートを行いたいと思います。場所は日比谷図書文化会館です。

 

先日、日比谷図書文化会館に立ち寄った際、たまたまチラシを目にして知った今回のトークイベント、参加してきました。人が人に本を贈る、またはすすめる際にバイアスがかかるのではないか、そしてそのバイアスとどう付き合っていけばよいのか、という問題意識を抱えていた自分にとって、何かヒントのようなものが得られるのではないかと思って申し込んだ次第です。ちなみに今回のトークイベントは4月23日の「サン・ジョルディの日」に合わせたテーマだったようです。

 

内沼晋太郎さんは、店内でビールが飲めて、毎日イベントを行っている、下北沢の本屋B&Bの共同経営者として有名かと思います。ちなみにチラシの肩書は「numabooks代表、ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター」。以前に読んだ内沼さんの著書、『本の逆襲』(朝日出版社・2013年12月)では、内沼さんの様々な本にまつわる活動が書かれていて、とても面白いなあと思ったことを記憶しています。

 

会場は日比谷図書文化会館、定員60名のところほぼ満席といったところでしょうか、なんとなくですが出版社系の方々が多くいらっしゃっていたような印象を受けました。席には日比谷図書文化会館のイベント案内と、本日のレジェメ。レジェメには「1つの引用」と題して、レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」の一節の引用がありました。その引用は、今回のトークイベントの肝とリンクする一節になります。

 

トークイベントの前半は、内沼さんの今までから現在までの活動の紹介でした。文庫本を紙で包んでその一節だけわかるようにしておく(葉書としても出せる)「文庫本葉書」や、書き込みができる書店の「WRITE ON BOOKS」といった取り組みの紹介、そして本屋B&Bを立ち上げるまでの経緯、本屋B&Bの特徴などをお話しいただきました。

 

そしていよいよ後半部、「本を贈る」ことについてのお話です。内沼さんは、本は人を傷つけることがある、本は相手の時間を奪う、かといって誰も傷つけず時間も取らない本はほとんどつまらない、絶対にぴったりだと思う本は読んだことがある可能性が高い、という4つの理由を挙げて、本を贈ることは一つの暴力のようなものではないか、というようなことをお話しされました。個人的にも、確かにそうかもしれない、と思うところがありました。本をすすめるというのは、ある意味ですごく傲慢なことではないのかと考えていた自分にとって、「本を贈る」という行為になってしまったらそれはもう暴力のようなものではないかと。

 

またその上で、「本を贈るときの最低限のマナー台詞」としてのお話もありました。「あなたに合うかはわからない」、「もし持っていたら誰かにあげてください」、「読まなくていいし、感想は言わなくいいから」という3つです。確かにこの3つの言葉が添えられていれば、本を贈られた(すすめられた)ときに、随分と心理的に楽になるなあと思いました。

 

そして本を贈る際のテクニックとして、「本を贈り物の『従』とする」、「一度に読み切れないくらいたくさん贈る」、「相手の本棚を見て話をする機会を作る」の3つをご紹介されました。

 

そして、結論として「本を贈ることは難しい」、そして補足のような形で「しかし当たれば素晴らしいと」。

 

確かに内沼さんのおっしゃる通り、本を贈るという行為は凄く難しいことではないかと改めて考えさせられました。それは、本は一つの価値であり、またその価値を巡って読者の一人一人が違う価値を見出す、という個人的に以前から思っていたことと突き合わせると。それを贈り物という形にするのはまさにある意味で価値観の押し付けであり、また暴力のようなものだと痛感させられました。世の中には本当にたくさんの本が存在しますが、その中でどの本を選ぶのかはその人の自由です。しかし「本を贈る」ということになると読者にとって選ぶという余地がなくなってしまします。また先述したように本は時間を奪います。

 

とここまで書いてみて、なんだか少し悲観的な内容になってしまいましたが、質疑応答で明るい話題が出たので紹介したいと思います。それは本を贈る人が魅力的で素敵な人だったら、というものです。確かに本が人を介したとき、介した人が魅力的で素敵な人であれば、本の意味合いも変わってくるのではなかと思いました。

 

また自分からも一つ質問をさせていただきました。それは「本を選んで贈ったりすすめたりする際にはバイアスが生じると思うのですが、そのバイアスと上手く付き合いにはどうすればいいのか」という主旨の質問でした。その問いについて内沼さんに、「書評やPOP自体を面白く、周辺を楽しくする」という内容の答えをいただきました。「バイアスが掛かることを楽しむ」というように理解しました。バイアスをネガティブに捉えるのではなく、ある意味で開き直ってポジティブに楽しむ、ということでしょうか。そう考えると本を贈ったりすすめる際に様々なアイディアや工夫を施すことを心掛けることが楽しめるように思いました。

 

今回のトークイベントに参加してみて、本を贈ることの難しさを改めて、痛感しました。また本を贈る、すすめる際にはマナーなども必要になってくるなとも。気軽に考えていたことが、実はこんなにナイーブに考えなければいけないということが驚きでもありました。

配布レジェメにあったレイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」の一節の引用ですが、ここまでこのエントリーをお読みいただければ、「愛について語るときに我々の語ること」を実際にご一読されれば引用の該当箇所はおわかりになるだろうと思います。ずるい、と言われるかもしれませんが、短編小説ということなのでぜひ読んでいただければと。自分もこれから読みます。

 

内沼さん、日比谷図書文化会館の方々、貴重なお話し、機会を本当にありがとうございました。