没年調査ソンin神奈川

図書館イベント参加レポート

 以前から気になっていた没年調査ソンが2020年2月11日(火・祝)に神奈川県立図書館で開催されるということで参加してきました。今回はそのレポートとその感想です。また没年調査を実際に進めた上での、自身の調査プロセスについても書きました。

没年調査ソンとは

「ししょまろはん」のHPによれば、「没年調査ソンは、没年調査とマラソンを掛け合わせた造語(今作りました)」とのこと。では、なぜ没年調査を行うか、それは著作権と大きく関係しています。要は没年がわかれば、著作権の保護期間が満了しているかどうかが判明するのです。もし保護期間が満了していれば、オープンデータとして、例えば国立国会図書館がデジタル資料化として公開するなど、自由にその資料を使うことが出来るのです。

没年調査ソンin神奈川の流れ

 会場は神奈川県立図書館の3階PC研修室、時間は13時から16時半。桜木町駅出て紅葉坂面へ、坂を上った所に神奈川県立図書館があります。

 まずは国立国会図書館の講師の方のガイダンスから始まります。そこでは没年調査と著作権の関係、没年調査の具体的な方法、没年調査ソンin神奈川お当日の流れについての説明がありました。

 具体的に没年を調べるツールとして、図書館のパスファインダー、ヨミダス歴史館等の新聞社データベースで訃報記事等に当たる、人物事典などの一般的な参考資料、同窓会名簿、博士録、さらにはグーグルブックス等が挙げられています。

 そして、次に読売新聞社の方からヨミダス歴史館の使用方法についてのレクチャーがありました。ありがたいことに没年調査ソンin神奈川のために、読売新聞社でアカウントを参加者の数を作ってくださったということです。

調査対象人物のリストは没年調査ソンin神奈川で用意されており、その中から各々が没年を調べていきます。リストには計253名の名前があり、そこに難易度と関連情報が記載されています。

 また会場にホワイトボードが用意されており、没年が判明したらそこにイスト上の番号、氏名、生没年、情報源の4つを書き入れ、参加者全体に成果を共有する流れでした。そして、没年が判明したりした際には、「ナイスソン!」という掛け声を皆で掛け合いましょうとのこと。「部活みたい」というお話も出ていましたが、実際に場を盛り上げることに一役買っていた様に思います。

いざ、没年調査

 ガイダンスが終わると、さっそく没年調査に入ります。今回は神奈川県立図書館所蔵の資料とヨミダス歴史館を主に使っての調査となりました。ここでは自分の没年調査のプロセスを書いておきたいと思います。

 まず自分が調査対象として選んだのは、尾崎左永子という方。難易度が星一つと比較的調査がしやすいかなと思って選択しました。結果的に2019年12月時点でご存命の方だと判明し調査終了としました。調査プロセスは以下の通りです。

①まずはヨミダス歴史館で検索。すると、1984年6月21日の22pに『源氏の恋文』(求龍堂)という作品が日本エッセイストクラブ賞を受賞したという記事がありました。

②次にウィキペディアで記事になっていたのでそちらを参照。そこには「エッセイストクラブ常務理事」、本名は尾崎嗟瑛子であると記載あり。また記事の最終更新日は2019年2月6日となっていました。記事には没年の記載はありません。

③再度、ヨミダス歴史館で検索すると、今度は2016年3月11日に「薔薇断章」で詩歌文学館賞を受賞したという記事を見つけました。この時点で、仮に死去されているとしても2016年頃以降だと判断、もし訃報が出ているとすればここ3年位に出版された詩歌のレファレンスブック、または短歌雑誌に掲載があるかもとアタリをつけ書架へ出ます。

④そこに「短歌年鑑令和2年度版」を発見。人名録に尾崎左永子の名前がありました。住所や連絡先などの記載があり、そこで2019年12月時点でご存命の方だとして調査終了となりました。

次に選んだのは小沢打魚という方。リストには黒竜会、黒竜会文筆担当者との関連情報があります。

①まずはヨミダス歴史館で検索、1923年12月15日の記事に小沢打魚が「南淵書」の講義を行うという記事がヒットしました。ということは、1923年には生まれていて講義を行う位の年齢に達していたと判断、すこし刊行年の経った辞典類や人名録に記載があるかもと判断しました。

②次にインターネットで関連情報の黒竜会を検索。こちらはウィキペディアに記事があり、国家主義団体とのことですが小沢打魚についての詳述はなし。

③そこで書架に出て、社会思想系の辞典類に当たる方法を取りました。しかし、何種類かの辞典類に当たったもののヒットせず。

④そこで、グーグルでインターネット検索をすると、個人ブログで小沢打魚は内田良平のゴーストライターと言われた人という記述を発見。ゴーストライターの辞典などあるかなとOPACで検索をしてみたもののヒットせず、時間切れとなりました。

 そして最後に、参加者それぞれが参加してみての感想を述べて終了となりました。参加者は図書館関係者のみならず、ウィキペディアの編集者、教育関係者など様々な方がいらっしゃいました。

没年調査ソンin神奈川に参加した感想

 予想以上に楽しかったというのが正直なところです。黙々と資料に当たってというイメージで実際はその通りだったのですが、頭の中はなかなかダイナミックに動いていた感じです。様々な情報源に当たる中で、様々な推理を組み立てていくという行程が何より楽しかったです。

 またホワイトボードには判明した没年が書き込まれ、その判明に至るまでのプロセスを聞くのも面白かった。神奈川県立図書館の開催であるだけあって、地域に根差した方の調査をされていたケースも多く、こういたアプローチもあるのかと参考になりました。

 

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