【感想】映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」を観て

図書館
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この投稿では図書館業界で話題になっている、 フレデリック・ワイズマン監督の映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」 の感想を書いています。映画の中で淡々と映し出される ニューヨーク公共図書館 の日常風景…。そこに映し出される様々なサービスや活動の裏側について、私に中でポイントだと思ったことをまとめてみました。

菅谷明子さん 『未来をつくる図書館』 の映像版!?

フレデリック・ワイズマン監督の映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」を鑑賞してきました。場所は東京神保町にある岩波ホール、日時は6月9日(日)の10時15分から。途中休憩も入る3時間25分の長い映画で背中とお尻が痛くなりましたが、頭は常に冴えていました。

 映画の構成としてはニューヨーク公共図書館の日常の風景、イベントの模様、また様々なテーマで意見が交わされる会議の様子が淡々と映し出される形となっています。

 個人的な感想としては、菅谷明子さんの『未来をつくる図書館』で書かれていた事柄の実際の映像を見ることができたようで、図書館に関わりのある身として、とても刺激に満ちた映画だと感じました。特にニューヨーク公共図書館の司書達が自身のミッションを強く意識し、それをどのように実現するかを熱く語っている様子が強く印象に残り、正直に言ってしまえば「こんな風に働いてみたい」と強く思いました。

中でもキーワードだと思ったポイントは?

中でもキーワードだと思ったことは、デジタルデバイド(情報格差)とその解消、図書館と民主主義、予算獲得、図書館の主役は人(利用者)という発言、サブジェクトライブラリアンといったところでしょうか。

デジタルデバイド(情報格差)に関していえば、映画の中でインターネットが使えるか使えないかで得られる情報量に格差が生じる。それを埋めることが図書館の役割であるという発言が映画の中でありました。技術が進歩すれば取り残される人達が出てくる、そこで図書館の出番となる、取り残される人々を救うことが図書館の役割であると強調するシーンが特に印象に残っています。

図書館と民主主義

図書館と民主主義というキーワードもデジタルデバイドの問題と繋がっているように感じました。ニューヨーク公共図書館では、就職支援プログラム、障害者へのサービス、多言語サービス、コンサート、著名人を招いてのトークショーなど様々なプログラムを展開しています。これは人々に広く開かれた、“文化”あるいは “社会”へと参加する機会と言えるのではないでしょうか。様々なプログラムを通じて情報の格差のみならず、教育や文化、また社会参加への格差を解消すること―。それは図書館の重要なミッションであり、そのことを通じて民主主義社会に貢献しているのではないでしょうか。

電子書籍と予算獲得

電子書籍の導入について議論のあるシーンもあります。そのシーンでは、本はあくまでもメディアの一つであり、図書館が担うべき役割と目的を時代に合わせてメディアもアップデートさせている印象を受けました。

予算獲得という面では、ニューヨーク公共図書館の会議の中で予算獲得について様々な議論されている場面も印象に残っています。日本の公共図書館周辺ではお金についての話を避ける印象があるように感じていたこともあり、シビアに予算をどのように獲得していくか議論されている場面は痺れました。

まとめ

 図書館のような文化機関の存在意義とは何か、そのことを考えた時に、アメリカでは普く人々に“文化”や“社会”への参加機会の格差を解消するために存在しているのだと解釈しました。そのような施設が“公共”という概念のもと運営されていることが民主主義へと繋がっている、そのように感じました。

図書館を巡る制度上のことやハード面のことなど、日本の図書館にすぐに活かすことはできないかもしれません。しかし、映画を観ることによってニューヨーク公共図書館の司書達のメンタリティを自身の中に落とし込むことが出来るように思います。

図書館と民主主義というように話が大きくなってしまいましたが、映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」の感想でした。

 映画の公式サイトはこちら→http://moviola.jp/nypl/

追記

知り合いの方が同じ上映回にいらしゃったと後になってSNSを通じて知り、やはりという感じでした。やはり関係者の比率が高いのかもしれません。

 また開始30分前には既に行列が出来ていたため、一般の当日券で鑑賞される予定の方は早めに上映館に行かれた方が良いかもしれません。

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