平成30年11月20日(火)「練馬区の図書館専門員ってなーに?」に参加して【所感編】

先々月の2月5日に「練馬区の図書館専門員ってなーに?」についての参加レポートを書きました(こちら)

この集会に参加しての所感を、今回は書いてみようと思います。練馬区の図書館員によるストライキの動き、練馬区立の図書館練馬図書館と石神井図書館で働く図書館専門員の方々を、区直営の光が丘図書館の業務に従事してもらうという形で妥結したようです。→Twitterによる情報はこちら

公式な情報は見当たりませんが、練馬区での動きは一段落した模様です。

 

さて、周回に参加しての所感です。私個人としては、待遇向上のために図書館司書の方々が立ち上がったということは非常に意義があり凄いことだと思いました。ただその反面、志向されている図書館サービスの方向性、またそれに関わる指定管理者制度導入に関しての考えにはやや疑問と違和感を感じたことも事実です。

端的に言ってしまえば、『市民の図書館』(日本図書館協会発行・1970年5月初版)の延長線上の図書館サービスが志向されているように感じました。具体的に言えば図書館のカウンターに立つことが前面に押し出されていたことです。

集会で図書館専門員の方から「カウンターに立ちたい」という発言がありました。『四民の図書館』をざっと読み返してみてもカウンターに立つことについて詳述はありません。しかし「図書選択」の項目(71p)に、(図書選択は)「選択の実際は直接利用者と接している職員が主になって行わなければ利用者の要求が反映しにくい。特に読書案内係、貸出係は必ず選択に加わるようにする」と記述があるように、カウンターに立つことを重視しているような記述があります。カウンターに立つこと、利用者と直に接することにウエイトを置いていること、そこが『市民の図書館』に近いサービスが志向されているように感じた点です。

また児童サービスにもついてもお話があり、こちらも『市民の図書館』で重点的に説かれている図書館サービスの考え方と繋がるものがあると思いました。

 

そして、こちらはナイーブな話になると思うのですが、指定管理者制度の導入についてです。集会では指定管理者制度のもとで公共図書館が運営されることへの弊害が話されていましたが、個人的には制度自体の問題だけだとは限らないのではないかとも感じています。例えばレポート編で紹介した「引継ぎのノウハウが共有されない」、「おはなし会が出来ない」、「イベントを開催しろという会社の方針があった」、「更新毎に雇用とノウハウがリセットされてしまう」といった点は、制度自体の大きな枠組みの話ではなく、自治体と民間の個別なやり取りといった面からある程度の調整で解消できることではないでしょうか。

また集会全体の端々から、置かれている原因を全て指定管理者制へと向けている印象も持ちました。

 

ここまで集会で話されていたことについて、やや辛辣な感想を述べてしまったかもしれません。

しかし、ストライキという手段を掲げ図書館司書の方々が自らの待遇改善のためにアクションを起こしたということは凄いことだと思いました。寡聞にしてこのようなケースを聞いたことはありません。待遇向上のために、このような動きが広がっていけばよいと思います。また私自身も過去に図書館で働いていた身として、より待遇の良いところに移ることばかりを考えていたことを反省しました。「隗より始めよ」と故事成語にあるように、図書館業界全体の待遇を向上させていくために、自分自身の待遇を今いるところで改善していくことも考えて動いていくべきだったと考えさせられました。練馬区の図書館専門員の方々に、大きな賛辞を贈りたいと思います。一つの突破口になるように祈っています。

以上、期間が空いてしまいましたが、「練馬区の図書館専門員ってなーに?」に参加しての所感でした。

 

この記事で参考にさせていただいた書籍の紹介を以下に記しておきます。

・『市民の図書館』(日本図書館協会発行・1970年5月初版)

Amazonではこちらをクリック

・『公共図書館の冒険 未来につながるヒストリー』(柳与志夫・田村俊作編・みすず書房・2018年4月16日発行)

みすず書房のHPから

*図書館員がカウンターに立つことについての示唆を受けています。

 

写真は少し前に皇居をランニングした時のものです。走るのに良い時期になってきました。